オムロン、製品技術情報をPLMで一元管理システム--機密データ流出防止の仕組みも

NO BUDGET

2015-05-18 18:46

 オムロンは、設計図面、仕様書、部品表などの製品技術情報をグローバルで一元管理するPLM(Product Lifecycle Management)システムを構築、車載事業部門(オムロンオートモーティブエレクトロニクス)から稼働を開始した。

 2016年度以降、他事業部門への導入を予定しているという。ソフトウェアを提供し、システム構築を手掛けたNECが5月18日に発表した。

 オムロンは、2020年を見据えた長期経営ビジョン「VG2020(Value Generation 2020)」を掲げ、「売上高1兆円以上、営業利益率15%」の早期達成をゴールの1つとして、グローバルでの事業成長と収益構造改革などに取り組んでいる。

 同システムは、この取り組みを下支えするため、グループ全社での部材情報の集約と活用、開発効率の向上を実現するため、商品開発プロセス上の設計支援基盤として導入されたもので、国内トップシェアを有するNECのPLMソフトウェア「Obbligato III」を活用している。

 同システムは現在、オムロンの車載事業部門の設計、生産拠点8カ所(国内2カ所・海外6カ所)で約500人が利用中。システムは24時間365日稼働している。

 SOA(Service Oriented Architecture)を適用し、生産管理システムや販売管理システムとリアルタイムに連携。生産拠点ごとに設計変更の適用日を設定する機能や、厳格なトレーサビリティが求められる自動車部品特有の版管理の機能を持つ。

 また、設計図面などの機密データについて、メール添付、印刷、画面キャプチャ、外部媒体へのコピーなどの操作を利用者ごとに制御することで、社外への流出を防止する機能も備えている。

 オムロンでは同システムを活用し、設計資産の共有による開発効率の大幅な向上、グローバルでの拠点や部門の枠を越えた連携による開発リードタイムの短縮を図る。また、設計資産の変更履歴や設計途中の変更結果を管理することで、設計ノウハウの継承や課題の共有が可能になるとしている。

 さらに、同一製品のグローバル複数工場での並行生産、複数仕向地対応を可能とすることで、市場状況に応じて臨機応変に生産工場を選択するグローバルな最適生産への対応や、BCP対応の強化を図っていく。

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