日本オラクル、電力網管理システムを強化

NO BUDGET

2015-05-21 10:33

 日本オラクルは5月20日、電力網管理システムの最新版「Oracle Utilities Network Management System Version 1.12.0.2」を発表した。スマートグリッド上の蓄電池、風力発電機や太陽光発電機による再生可能エネルギーを管理対象として拡充し、スマートグリッドを包括的に管理できるようになった。

 スマートグリッドを活用した効率的かつ安定的な電力供給を支援し、電力会社のニーズに応えるとしている。

 Utilities Network Management Systemは、公益企業向け業務アプリケーション群「Oracle Utilities」の重要なコンポーネントの1つ。

 電力会社が管轄地域に電力を安定的に供給しているかを監視し、停電が発生した場合は即時に回避策としての供給経路をシミュレーションして実行。さらに、停電箇所が復旧した際には、元の経路に戻すといった電力網の監視、管理を実施する。

 Oracle Utilitiesを含めたオラクル製品は、世界の公益企業2600社で導入されているという。日本でも、Oracle Utilities製品やデータベース機「Oracle Exadata Database Machine」をはじめとする技術基盤を、公益企業向けに積極的に展開している。

 Oracle Utilities Network Management Systemは、これまで送電網の監視および制御を行うSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition/監視制御システム)と呼ぶ仕組みを活用し、電力を各家庭、企業や工場などの電力需要者に供給するプロセスを監視、管理するための機能を提供してきた。

 最新版では、太陽光発電機、風力発電機や蓄電池などのスマートグリッド上に設置されたSCADAより、電力量のデータを取得、監視、管理する。

 さらに、これら再生可能エネルギーによる電力を、電力需要者に最適な供給をするプロセスも提供。

 この機能強化により、スマートグリッド上に接続された太陽光発電機、風力発電機や蓄電池なども管理対象に追加し、これらの機器から得られた再生可能エネルギーの電力を監視、管理することも可能になり、日本でも今後さらにスマートグリッドが普及した際、電力会社による効率的かつ安定的な電力供給を支援するとしている。

 Oracle Utilities担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのRoger Smith氏は、次のようにコメントしている。

 「Oracle Utilities Network Management System 1.12.0.2は、先進的な電力供給管理システムで、スマートグリッド上のデータを柔軟に管理することにより、電力供給における信頼性の向上とコスト削減を可能にします。同製品は、拡張性のあるリアルタイムなデータモデルと最適化された分析エンジンによって、変電所と分散電力の管理の両立が求められる環境で、電力供給の自動化を支援します。これらの機能は、大型ストームSandyが発生した際に証明したように、世界最高の停電管理システムの1つであるOracle Utilities Network Management Systemをベースにしています。分散型エネルギーを管理するための仕組みとして、実際の嵐での運用実績に加え、拡張性があり、かつ分散型エネルギーを管理することができる先進的な電力供給システムとして、公益企業のニーズに応えます」

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