しかし便利さは、PostgreSQLが人気である理由の一部に過ぎない。PostgreSQLのファンは、その豊富な機能を以前から称賛していたものの、PostgreSQLがイノベーションの点で認められるようになったのは、ここ数年のことだ。プログラマーのSvenne Krap氏は2014年のPostgreSQL Conference Europeで、筆者に次のように語っている。
PostgreSQLは技術面で大きく前進した。認知度が高くなった一方で、技術的なイノベーションという点でもさらに優れたものになった。データベースの大半が1980年代のままで止まっているのに、PostgreSQLはウィンドウ関数のような新しいものを提供し続けている。ほかの多くのデータベースは前進がもっと遅い。
PostgreSQLが良くなった別の点として、JSONサポートを提供するようになったことで、(いくつかのワークロードでは)PostgreSQLやほかのRDBMSを離れて、別のNoSQLデータベースを使う必要がなくなったということが挙げられる。開発者の友人と先日話したところ、彼は筆者に、PostgreSQLのJSONサポートは「宣伝通りに機能した」と語った。つまり彼は、PostgreSQLを以前よりも多くの種類のアプリケーションに使えるということだ。
また、MySQLを買収していたSunをOracleが買収したことで、MySQLの開発者がより自由な世界へと去っていったことも、PostgreSQLにはプラスになった。Oracleは、MySQL技術の改善をうまく進めてきたものの、開発者を仲間に留めておくことはそれほどうまくできなかった。
対照的に、PostgreSQLは背後に支配的なベンダーがいない。むしろ、開発者のLaurenz Albe氏が筆者に語ったように、「PostgreSQLは1つの会社によって所有されていない。PostgreSQLは、手に入れられる中で最も自由なオープンソースプロジェクトに近い」のだ。
Postgres SQLの未来は明るい
では、あなたの会社はPostgreSQLを採用すべきだろうか。それは答えるのが難しい。既に使っている可能性がかなり高いからだ。
しかし、まだだとしたら、PostgreSQLは、高価なOracleやIBMの「DB2」といった過剰ともいえる製品の代わりを見事に果たすものであり、ほぼ同じ機能や拡張性を無料で提供している。もちろん、それが実際に無料である可能性は低い。おそらくEnterpriseDBのような企業によるサポートサービスが必要になるだろうし、開発者や運用担当者を対象に、その管理方法のトレーニングをする費用もかかるからだ。
しかし、もっとスタートアップのような運用をして、彼らの柔軟性とイノベーションを実現したければ、PostgreSQLは検討の価値があるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。