コンサルやBPOも提供--キヤノンMJグループ、マイナンバー関連サービス体系化

大河原克行

2015-06-10 10:18

 キヤノンマーケティングジャパン(MJ)グループは、マイナンバー制度に対応した約40種類の製品やサービスを品揃えし、キヤノンMJの直販部門を中心にグループ会社やパートナーを通じた販売を強化する。大手企業から従業員100人以上の中小企業までをターゲットに2016年末までに50億円の販売を目指す。マイナンバー関連ソリューションは、子会社であるキヤノンITソリューションズ(ITS)やパートナー企業との連携強化を通じて、ラインアップを増やす計画だ。6月9日に発表した。

 キヤノンMJでは、マイナンバーの本人確認書類を電子化する「収集・管理ソリューション」、マイナンバーの業務プロセス構築支援やマイナンバーの業務運用受託を行う「コンサルティング・BPOサービス」、複合機などを活用する際にマイナンバーに最適化した機能を提供する「ハードウェアソリューション」、セキュリティソフトやデータ暗号化技術、ファイアウォールなどを提供する「セキュリティソリューション」の4つのソリューション領域に分類して、マイナンバー制度に対応した各種ソリューションを提供する。

マイナンバーソリューション概要
マイナンバーソリューション概要(キヤノンMJ提供)
蜂屋武司氏
キヤノンMJ ビジネスソリューションカンパニー BS直販統括部門 特販営業部上席 蜂屋武司氏
石黒弘之氏
キヤノンMJ ドキュメントソリューション企画本部 ドキュメントソリューション企画部 SaaS企画課 チーフ 石黒弘之氏

 今回、発表したソリューションは、特定個人情報保護委員会が発行している「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」のどの部分に対応したものであるのかといったことを明確に示しており、ユーザー企業自らが導入を検討しやすい状況を用意しているのが特徴という。

 「どのソリューションがどの要件にあったものなのか、どこに利用できるのかといったことが明確になる。他社にはない提案手法になる」(キヤノンMJ ビジネスソリューションカンパニーBS直販統括部門特販営業部上席 蜂屋武司氏)とする。

 特に同社が力を注ぐ収集・管理ソリューションは、ICカード認証で個人を特定しながら、本人確認書類などを複合機でスキャンし、電子化、暗号化したイメージデータをクラウド上のストレージやサーバに格納。セキュアな環境で保管されたイメージデータと給与管理システム上のマイナンバーを照合することで、個人番号や本人確認を簡単に行うことが可能になるものだ。

 「収集・管理ソリューションは、マイナンバー収集時の本人確認に特化したもの。マイナンバーの収集は人事給与システムが行うことになる。一般的には、PCを活用して免許書やパスポートといった本人確認用のデータを収集するが、PCで本人確認書類を入力すると、PC上にイメージデータが残る可能性が高く、安全性の観点で問題がある。収集・管理ソリューションでは、当社の強みである複合機を活用することで、スキャンしたイメージデータは複合機から自動的に削除でき、安全性にも優れる。製造現場や営業所、店舗にはPCが設置されていないという場合もあるが、複合機であれば設置されているケースが多いこと、さらに、操作性においても複合機の方が簡単である」(キヤノンMJ ドキュメントソリューション企画本部ドキュメントソリューション企画部SaaS企画課チーフ 石黒弘之氏)

 同社で提供している複合機用アプリケーションの「Workflow Composer」を使用し、マイナンバー収集用のボタンを複合機のディスプレイ画面に表示。誰が操作しても、統一されたファイル名、スキャン設定で特定のフォルダへPDFで保管できるという。「本人確認書類の収集業務の負荷軽減を支援できる」(同)としている。同ソリューションを通じて収集したデータは、さまざまな人事給与システムで活用することが可能であり、本人確認時に安全性を重視したい企業が幅広く対象になってくる。複合機に強みを持つキヤノンMJグループならではの提案だといえるだろう。

 収集・管理ソリューションでは、「本人確認書類の収集」「本人確認書類の保管」のほか、統合基幹業務システム(ERP)パッケージソフトウェア「SuperStream」のマイナンバー収集を支援する「SuperStream-NX 人事・給与ソリューション」も用意する。

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