映像制作現場でピントを確認--20型タブレット「TOUGH PAD 4K」に新製品

大河原克行

2015-06-23 13:30

 パナソニックは、20型4K IPSα液晶パネルを搭載した法人向けタブレット「TOUGH PAD 4K」の新製品として、第5世代のCore i5-5300 U vProプロセッサ 2.30GHzを搭載するとともに、新たに4K入力に対応したHDMI 2.0を搭載した「FZ-Y1CH」など2機種を8月25日から発売する。OSにはWindows 8.1 Pro Update(64ビット)を搭載しており、Windows 10への対応も図る。従来モデルのUT-MA6は、高性能GPU搭載CADモデルとして継続販売。UT-MB5は新製品へと引き継ぐことになる。

 パナソニックは、同社が持つ堅牢技術と4K技術を組み合わせて2013年にTOUGH PAD 4Kを初めて市場投入。4K画質のビジネスフロントでの利用を提案してきた。新製品はTOUGH PAD 4Kの第2世代の製品となる。

TOUGH PAD 4K「FZ-Y1CH」
TOUGH PAD 4K「FZ-Y1CH」

 AVCネットワークス社ITプロダクツ事業部国内営業部長の向坂紀彦氏は、第1世代のTOUGH PAD 4Kについて「3840×2560ドットの4K解像度での表示が可能であり、A3サイズの紙面をそのまま表示できる点が特徴。金融業界では双方向型の電子カタログを活用した窓口業務端末として、建設業界では詳細図面をペーパーレスでレビューするなど紙の置き換え用途として、製造業では設計データを現場に持ち込み、打ち合わせするといったモバイルCAD端末としての利用されている。オフィスでの役員会議システムなどの用途でも利用されている」と説明した。

 今回発売した新製品は、「これまでの基本機能を継承しながら、すでにTOUGH PAD 4Kを利用しているユーザーなどが要望が多かった4K入力の機能を搭載したものになる」(向坂氏)

 TOUGH PAD 4Kでは、4Kで撮影した静止画や動画を活用したいという要望が多く、それに対応するために、上位モデルの「FZ-Y1CH」では4K60P、HDCP 2.2に対応したHDMI 2.0を搭載した。

向坂紀彦氏
パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 国内営業部長 向坂紀彦氏
宮下充弘氏
パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 4Kタブレット事業推進部長 宮下充弘氏

 AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 4Kタブレット事業推進部長の宮下充弘氏は「映画制作や報道現場では、4Kカムコーダーや4Kデジタルカメラで撮影した4K映像のピント確認、現場のレポーターのフリップチャートなどとしても使える。医療や教育の現場では医用画像や各種教材などを表示。細かな部分も拡大して利用できる。静止画だけでなく、動画も撮影中に拡大表示できる機能は映像制作、医療現場で最適なものであり、ビジネスフロントでの新たな価値を提案できる」と説明する。

 176度の広視野角を持った10点タッチ式の静電容量式ディスプレイを搭載。バッテリ駆動時間1.5時間となっている。重量は下位モデルのFZ-Y1CAが2.30kg、FZ-Y1CHが2.33kgと従来モデルの2.35kgをわずかに下回り、世界最軽量を実現しているという。厚みは12.5mmの最薄を維持した。FZ-Y1CHではオプションの電子タッチペンを使用することで、手書きによる滑らかな描画と表示を実現できるという。

 動作時に底面方向の落下で76cm、非動作時に26方向で30cmの高さからそれぞれ落させる下試験を実施。頑丈設計を実現。USB 3.0ポートを1基、SDメモリカードスロット、Mini Display Port、LANコネクターなどビジネスに必要とされるインターフェースを搭載している。

 FZ-Y1CAは4Gバイトのメモリ、128GバイトのSSDを搭載して、市場想定価格は約33万円。FZ-Y1CHは8Gバイトのメモリ、256GバイトのSSDを搭載して、約36万円を想定している。従来の標準モデルであるUT-MB5シリーズよりも約10万円安くなっている。今秋にはWindows 10を搭載したTOUGH PAD 4Kの投入も予定している。


右側面にインターフェースがある。(左から)Mini Display Port、LANコネクタ、HDMI 2.0入力、DC-IN、USB 3.0、SDメモリカードスロット

 TOUGH PAD 4KをはじめとするパナソニックのTOUGHPADシリーズは、2014年度までの累計出荷が約25万台。そのうち2014年度には16万台を出荷している。2015年度には年間25万台、2016年度には年間50万台を出荷し、2016年度には累計出荷100万台を目指す。このうち、国内が20万台、海外が80万台という見通しだ。さらに、このほど2018年度までに累計出荷200万台を目指す計画を明らかにした。

 「堅牢タブレット市場では、2013年と2014年の2年連続で世界シェアナンバーワンを獲得している。2014年度は46%のシェア。堅牢ノートPCでは65%の世界シェアがある。今後はサイズ別やOS別などのラインアップを増やして、市場の要請に応えた製品を投入することで、この市場でのリーダーしてのポジションを維持したい」(向坂氏)

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