自分の命は自分で守るぜよ--気仙沼市と高知市の中学校で防災授業、遠隔で交流

羽野三千世 (編集部)

2015-07-10 16:04


気仙沼市立階上中学校

 7月9日、宮城県気仙沼市立階上(はしかみ)中学校と高知県高知市城西中学校をテレプレゼンスでつないだ遠隔交流授業が行われた。気仙沼市の生徒が体験した東日本大震災について、南海トラフ地震の被害想定地域である高知市の生徒に伝える防災教育を目的とした取り組みだ。小泉進次郎復興大臣政務官、松本洋平内閣府大臣政務官、赤池誠章文部科学大臣政務官の発案により企画実施されたもの。シスコシステムズが、テレプレゼンス製品の提供とシステム構築で協力した。


遠隔交流授業の様子

 授業では、階上中学校、城西中学校、東京のシスコシステムズ本社の3拠点を、テレプレゼンス「Cisco TelePresence SX20 Quick Set」でIPネットワーク接続した。SX20 Quick Setはテレビのディスプレイを使ってビデオ会議システムを構築する製品。今回の取り組みでは、学校にあらかじめ設置されていたテレビに同製品を取り付けて両校の教室をつなぎ、テレビ越しに向かい合った両校の生徒が、南海トラフ地震に備えた取り組みと東日本大震災の教訓をそれぞれ発表して意見交換を行った。

 城西中学校の生徒は、同校が作成した「龍馬の地震八策」を発表した。高知市出身の坂本龍馬の「舟中八策」をモデルに、地震が起こった際にとるべき行動を提示したもので、「自分の命は自分で守るぜよ」「余震に注意することぜよ」「津波は何度でもやってくるぜよ」などの8項目からなる。


教室のテレビにCisco TelePresence SX20 Quick Setを取り付けて遠隔地の教室をつないだ

 地震八策の1つ「自分の命は自分で守るぜよ」の意味について、城西中学校の生徒代表は「自分の命が一番大切。家族がバラバラでも1人ひとり逃げること」と説明した。これに対して、階上中学校のある生徒は、「自分の身は自分で守ることは大切だが、災害時はどうしても家族のことが気になる。東日本大震災では、家族を探して家に戻って亡くなった人もいた。家族の中で避難場所を決めておくことが大事だ」と語った。

 階上中学校の授業を見学した小泉政務官は、「若い人の防災意識を高めるためには、東日本大震災を経験した同世代から、体験や教訓を語ってもらうことが何よりも説得力がある。言葉の重みが違う」と述べ、今後、被災地と遠隔地の学校をテレプレゼンスでつなぐ防災授業の取り組みを全国で行っていきたいとした。


気仙沼市立階上中学校の授業を見学した小泉進次郎復興大臣政務官

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