SUSEは、同社が展開する「BYOS(Bring Your Own Subscription)」プログラムにより、パブリッククラウド上での「SUSE Manager」の利用を可能にした。
SUSE Managerは「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)」用の包括的な管理プログラムであり、Red Hatの「Red Hat Satellite」に対するSUSEからの答えでもある。SUSE Managerにより、ディストリビューションやハードウェアアーキテクチャ、仮想プラットフォーム、クラウド環境をまたがったLinuxサーバ群に対する完全なライフサイクル管理と監視が可能になる。
今回のプログラムにより、法人顧客は既存のSUSE Managerサブスクリプションを、SUSE認定クラウドプロバイダーが提供するパブリッククラウド上でも使用できるようになる。こういった対象には「Amazon Web Services(AWS)」や「Google Compute Engine」「Microsoft Azure」上のSLESが含まれている。
これにより顧客は、追加費用なしにSLESインスタンスをクラウド上に移行し、SUSEから直接サポートを受け続けることが可能になる。またSUSE Managerを用いることで、パブリッククラウド上だけでなく、複数の場所や支社をまたがるオンプレミスやプライベートデータセンターで実行しているワークロードすべてを同時に管理することも可能になる。
同社のグローバル事業開発を率いるNaji Almahmoud氏は声明で「顧客は管理コストの上昇を懸念することなく、従来の形態とパブリッククラウドとの間でのワークロードの理想的な組み合わせを追求できる。また、追加料金を必要とすることなく、SUSEからのサポートと高品質なサービスを受け続けられる」と述べている。
筆者はこの「追加料金を必要とすることなく」という下りが、SLESの顧客を満足させ、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」やCanonicalの「Ubuntu Server」に移行されないようにするうえで重要だと考えている。さらに、顧客は管理インフラを個別に構築せずとも、パブリッククラウド上でのスケーリングや配備を迅速に行えるようになる。
SUSEの顧客はオンライン登録を通じて、既存のSUSE ManagerサブスクリプションをAWSやGoogle Compute Engine、Microsoft Azureに移行できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。