海外コメンタリー

「Windows 10 Enterprise」--主な機能をチェック - (page 4)

Nick Heath (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-08-24 06:30

 新しい端末管理オプションには、ポリシーの自動アップデート、端末のコンプライアンス情報の取得、端末ごとのアップデート承認リストの指定といった機能がある。

 Microsoftは、複数ユーザーの管理やVPNの構成といった機能のサポートを改善するとしている。

 Windows 10では、ユーザーと端末の管理にさまざまなサービスを利用できる。企業ネットワークに頻繁に接続される会社所有の端末については、「Active Directory」「Group Policy」「System Center Configuration Manager」という選択肢があり、主にモバイルやインターネットに接続される端末については、Azure Active DirectoryやMDMを選べる。

 「ここでは、デスクトップOSの要素をMDMのような機能でもGroup Policyでも管理できる。デスクトップの制御と管理には、これまでGroup Policyが使われてきた。Microsoftは、これら2つの方法が非常に相補的であることを示唆している」。OvumのEdwards氏はこのように述べた。

Windows 10用ビジネスストア

 Microsoftが開設を予定している「Windows Store for Business」は、企業が従業員向けのアプリを簡単に展開できるアプリストアだ。

 Windows Storeに自社専用のセクションを作成して、あらかじめ承認されたアプリのカスタムリストを提供することができ、管理者はアプリを特定の従業員に割り当てられるようになる。

 また、企業はアプリの大量購入も可能になる。ユーザーはAzure Active Directory経由でサインインする。

Azure Active Directoryの機能

 MicrosoftのAzure Active Directory(Azure AD)は、マルチテナントに対応したクラウドベースのディレクトリおよびID管理サービスで、「Office 365」やSalesforce.com、Dropbox、Concurなど、多数のSaaSアプリケーションへのシングルサインオン(SSO)アクセスを提供する。

 Microsoftは、Azure ADとWindowsの統合をさらに進めて、ユーザーが記憶しなければならないパスワードの数を減らそうとしている。Windows 10端末をAzure ADに登録することで、ユーザーはAzure ADのアカウントとパスワードを使ってWindowsにサインインできるようになる。同じ端末を同時にMDMサービスに自動登録することも可能だ。

 個人のWindowsマシンをAzure Active Directoryで管理される企業アカウントにひも付ければ、そのWindowsマシンからも社内サービスにシングルサインオンアクセスできるようになる。

Microsoft Desktop Optimization Packへの無料アクセス

 「Microsoft Desktop Optimization Pack」(MDOP)は、これまで「Microsoft Software Assurance」の顧客にサブスクリプションとして提供されているテクノロジスイートだ。

 仮想Windowsデスクトップや仮想アプリケーションのセットアップと実行の支援、暗号化などの機能によるWindowsユーザーの管理、システム復元の時間短縮を目的に設計されている。

 Windows 10の提供開始後、Software Assuranceの新規顧客と契約を更新した顧客はMDOPを無料で利用できるようになった。

アップデートパス

Current branch for Business

 ミッションクリティカルではないが、アップデートを消費者向けマシンより少し厳格に管理する必要がある業務用端末には、「Current branch for Business」(CBB)アップデートパスが用意されている。これは機能アップデートの受信を延期できるオプションで、Windows 10の消費者向けエディションに配信されてから数カ月後に遅らせることができるため、アップデートの品質やアプリケーションとの互換性を検証する時間を確保できる。セキュリティアップデートの配信は通常どおりだ。

 CBBを利用すれば、これらのアップデートをユーザーにプッシュ配信する方法を「Windows Update」「Windows Update for Business」「Windows Server Update Services」(WSUS)から選択することができる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]