Intelは先週開催した「Intel Developer Forum(IDF)」で、ロボットを披露したりモノのインターネット(IoT)へのコミットを示したりとさまざまなニュースを提供したが、同社の主事業でも新しい取り組みを見せていた。SSDの新しい製造メソッドの発表に加え、最新のマザーボードフォームファクタ「5x5」を披露した。PCの小型化というトレンドを狙ったもので、さらなるアップグレードの柔軟性も提供するという。
5x5はマザーボードの大きさのインチ数からとった名称で、同社の「Next Unit of Computing(NUC)」システムよりも少し大きく、2015年初めに発表した「Compute Stick」のサイズを上回るものだ。だが、この大きさの違いは重要なメリットにつながっている。NUCではボードがソケットを持たないためプロセッサに縛られることになるが、5x5はLGAソケットを持ち、CPUをアップグレードできるのだ。その点からみると、5x5はMini-ITXマザーボードと似ているが、5x5は147×140mmで、Mini-ITXよりも大きい。
5x5ボードは35ワットまたは65ワットのプロセッサをサポートし、M.2フォームファクタストレージまたは2.5インチドライブに対応する。だが、大きな欠点となりそうなのが、PCIeスロットがないことだ。つまり、システムはユーザーがどのIntelのCoreプロセッサを選択しても、統合されているグラフィックスに制限されることになる。この点を考慮すると、小さいフォームファクタで最大のパフォーマンスを望むゲーム愛好家は、やはり5x5よりもMini-ITXボードを選ぶことになるだろう。
小型のフォームファクタをもつPCは、お茶の間から組み込みソリューション(キオスク、デジタルサイネージなど)といったさまざまな利用例を持ち、相当な市場規模に達しつつある。5x5インチというフォームファクタの導入が意味することとして、CPUアップグレードなどの柔軟性を好むが、グラフィックカードを追加するといった過度な柔軟性は好まないような購入者がいるとIntelは考えているようだ。
5x5はIDFで紹介しただけで、同マザーボードをサポートするベンダーなどは発表されていない。市場の影響力とNUCの成功を考慮すると、5x5ベースのマザーボードとPCが多数登場すると想像してよいだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。