目線カメラ付きヘッドマウントディスプレイとクラウドで保守を効率化--日立

NO BUDGET

2015-09-03 08:06

 日立製作所と日立産業制御ソリューションズは9月2日、高性能な目線カメラ付きヘッドマウントディスプレイ(HMD)と接写可能な点検カメラ、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を用いたクラウド型機器保守、設備管理サービス「Doctor Cloud/巡回・点検支援システム」の販売を同日より開始すると発表した。

 同システムは、日立が2014年2月から販売しているクラウド型機器保守・設備管理サービス「Doctor Cloud」に機能をパッケージ化して提供したもの。導入することで、現場作業者は、作業ナビゲーションの確認をハンズフリーで行えるとともに、接写可能な点検カメラを活用して見えにくい箇所も撮影、確認できることから、保守、点検、建設作業の効率と安全性向上を図れる。

 また、国内外の複数拠点間で同時に通信できることから、遠隔地からの効率的な作業指示を可能にする。今後は、国内外の工場、プラントや水処理、交通施設などの社会インフラ事業者、建設会社向けに拡販していく。


現場作業イメージ(日立提供)

 現場作業者が機器・設備に貼付したマーカーを目線カメラで読み込むと、AR技術による作業ナビゲーションがHMD上に表示される。作業スタッフは、目線を変えずに必要な情報を確認でき、同時に両手を使って作業を行えるので、現場作業の効率と安全性を向上できる。これらの作業内容は、Doctor Cloudに組み込んだ設備管理ソフトと連動して記録、管理するとともに、ノウハウの蓄積を支援する。

 接写可能な点検カメラは、これまで死角となりやすかった機器や配管の裏側、隙間などを撮影しやすくし、点検作業や建設現場での確認作業などの効率を向上する。またHMDには高輝度のディスプレイを搭載しているため、屋外、屋内にかかわらず高い視認性を確保している。さらに、約2~8時間の連続動作に対応する内蔵バッテリにより、長時間の連続作業にも対応できる。

 なお、多数の拠点や広大な敷地を持つ場合には、複数拠点同時通信機能を活用することで、監督者が遠隔地にいる場合でも、現場作業者に対してより的確な指示を行うことができるようになる。特に、これまで有識者や熟練技術者を現場に派遣せざるを得なかった特殊な作業でも、遠隔地からの作業指示で対応できる。


システムの構成イメージ図(日立提供)

目線カメラ付きヘッドマウントディスプレイ外観(日立提供)

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