日本郵便、法人営業部の営業支援システムを刷新

NO BUDGET

2015-09-15 07:00

 日本郵便では、郵便・物流法人営業部において「プロダクト営業からソリューション営業へ」のシフトを目指し、顧客企業へのソリューション営業を支える営業支援システムを刷新した。多様な情報がシームレスに連携する情報基盤となり、成功事例の横展開が容易になったほか、柔軟なデータ分析により戦略立案も精緻化されたという。製品を提供した日本マイクロソフトが9月9日、ユーザー事例として公表した。

 日本郵便法人営業部では、法人を対象にした大口の郵便や物流の営業を担当しており、企業の事業発展および郵便・荷物などを受け取るエンドユーザーの生活利便性向上に貢献できるようなトータルサービスの提案を行う部署。

 近年では、成長市場で今後の顧客企業の成長が見込め、日本郵便の特性が活かせる多頻度かつ小物の物流ニーズが高い、通販業界を中心に営業活動を展開している。さらに最近では、ビジネスチャンスを拡大すべく、複数のサービスを組み合わせたクロスセル型の提案や、顧客企業の他部門への提案など、さまざまなプロモーションを展開しているという。

 こうした営業活動を支えるべく、法人営業部では2007年から営業支援システムを利用している。コアユーザーは約400名、主として全国6支社の法人営業チームと法人営業企画ライン、本社の法人営業部企画ラインが利用しているほか、レポートを参照するユーザーが全国約1万名という規模だ。

 これまではITベンダーがスクラッチ開発したシステムを2世代に渡って利用してきたが、扱うデータや機能の追加などといったカスタマイズはベンダーに依頼して改修してもらう必要があったという。

 今回導入された3世代目の営業支援システムは、2014年11月に稼働を開始した。これまでのスクラッチ開発から構成を一新し、今回は「Microsoft Dynamics CRM」を中核として、スケジュール管理を行う「Microsoft Exchange Server」、ドキュメント管理機能やポータル機能を提供する「Microsoft SharePoint Server」、Webブラウザーでのアクセスを可能にする「Microsoft Internet Information Services(IIS)」と連携する構成となった。


日本郵便 法人営業部の営業支援システムの構成(MS提供)

 また、入力された各種データは「Microsoft SQL Server」で管理、定型的なレポーティングのほか、「SQL Server Analysis Service」による自由なデータ分析もサポートしている。このシステムへのアクセスは基本的に「Microsoft Outlook」から行うようになっているほか、Webブラウザーから利用することも可能。

 新たな営業支援システムでは、このシステム構成により各種機能がシームレスに連携するシンプルな操作性が実現できたという。一つの画面で業務が完結するためすぐに使いこなせるようになり、画面遷移もスピーディ、さらにシステムに格納されたデータの操作性も以前より向上し、ユーザーのストレスも解消されているとのこと。

 これまで課題だったカスタマイズ性についても、Dynamics CRMでは高度なIT知識を必要とせず、さまざまなカスタマイズができるため、業界の変化にも迅速に対応できるようになった。

 日本郵便では今後、カスタマイズを継続的に行うことで、よりシームレスかつ簡単に情報にアクセスできる仕組みを作り上げていくとしている。また、セキュリティを確保しながら使用可能なデバイスを増やし、社外での利用を可能にすることも検討しているとのこと。

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