いまから始めるマイナンバー対応

遅れが目立つ中小企業のマイナンバー対応--今から取り組む際のポイント

中尾健一

2015-10-07 07:00

中小企業のマイナンバー対応状況は

 10月、いよいよマイナンバ―の配布が始まります。しかし、特に中小企業にはマイナンバ―制への対応が進んでいないところも多いように見受けれられます。

 9月1日の日本経済新聞朝刊に、マイナンバー関連記事として「中小の7割、対策未着手」という見出しの記事が掲載されました。この記事のベースになっているのは、記事でも紹介されていますが、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が6月に発表した調査結果です。これは、JIPDECと日本商工会議所が共催した「企業におけるマイナンバー制度実務セミナー」の参加申込者に対して行ったアンケート結果(回答期間:2015年3月16日~5月20日)をとりまとめたものですが、下図はそのなかの企業規模別対応状況です。


一般財団法人日本情報経済社会推進協会 提供

 企業規模からみると、小規模な企業ほど「マイナンバー制度自体がわからない」「マイナンバー対応について何をすべきかわからない」といった回答が多くなっています。回答期間が3月から5月にかけてということですから、現在ではこの状況も改善していると思われます。ただ、内閣府が9月3日に公表した「マイナンバー制度に関する世論調査」 (調査時期:7月23日~8月2日)でも、マイナンバー制度の認知度では「内容まで知っていた」は43.5%にとどまっており、後者が国民向けの調査ということを考えても、全体の認知度がこの時点でも半分にも達していないことからすると、中小企業の対応の遅れはまだまだ続いていると考えられます。

 こうした状況を受けて、9月4日の各府省情報化統括者連絡会議では、9月時点でのマイナンバー広報基本方針として、民間事業者向けの目標を「マイナンバーの対応を理解している事業者を増やす」としています。

 過去の実績として、「マイナンバー制度の内容を知っているひとの割合」が1月時点で3割弱だったものが、7月時点で5割弱になったことを挙げていますが、広報、周知という意味では不足は否めませんので、政府は今後も民間事業者向けの説明会を開催するとともに、テレビなどでの集中広報を、10月以降行う予定にしています。

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