NEC、セールスフォースとERPの連携ツール--「Lightning Connect」に対応

NO BUDGET

2015-10-09 08:00

 NECとNECソリューションイノベータは10月7日、セールスフォース・ドットコムのSaaSやPaaS「Force.com」のカスタムサービスと統合基幹業務システム(ERP)を容易に連携できるという“iPaaS”「Enterprise Gateway」の提供を開始したと発表した。iPaaS(integration PaaS)はクラウドや企業間、オンプレミスを統合、連携させたりするためのPaaS。

 Enterprise Gatewayは、セールスフォースのデータ統合ツール「Salesforce1 Lightning Connect」に対応するサービスとして販売する。セールスフォースのアプリストア「AppExchange」を通じてグローバルに提供される。Enterprise Gatewayを活用することで、ユーザー企業はフロントエンドシステムと基幹システムの連携を短期間、低コストで実現できるようになるという。

 Salesforceは、営業情報管理のほかに海外子会社や現地法人の業務管理、取引先との受発注管理などのフロントエンドシステムとして多くのユーザー企業に活用されており、自社の各種業務データを適材適所、最適なタイミングで活用するために、基幹システムとSalesforceの連携ニーズが高まっている。

 だが、ERPとの連携では、通常のデータベース連携だけでなく、業務プロセスを含んだ複雑なアプリケーションインターフェース連携を必要とするものもあり、その際の連携に関する設計、開発を短期間に実現することは容易ではなかったとされている。

 これらのシステム連携ニーズに応えるため、NECとNECソリューションイノベータは今回、Salesforceを活用中のユーザー企業に対してパートナークラウドアプリケーションを共同拡販する仕組み「ISVforce」契約をセールスフォースと締結。Lightning Connect対応製品提供パートナーとして、特にアプリケーションインターフェースを持つERP連携機能に優れているというEnterprise Gatewayをセールスフォースとともにグローバルに販売する。

 Enterprise Gatewayは、アプリケーションインターフェースを持つERPとの連携でERPに変更を加えることなく、ERPのインターフェースとのデータ連携オブジェクト(データ格納領域)を自動的に生成できる。このため、Salesforce側から自動生成したオブジェクトに対してアクセスすることで、ERPとデータを連携できる。

 ERPのアプリケーションインターフェースの仕様を変更する場合も、再度連携オブジェクトを自動生成できるため短期間、低コストでの連携開発、保守対応が実現するという。多くのERP連携サービスが、CSVなどのデータを抽出後に処理するのに対して、Enterprise Gatewayはアプリケーションインターフェースを持つERPとの連携開発、保守を短期間、低コストに実現でき、セールスフォースはこの点を高く評価しているという。

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