インテルの超小型チップ「Curie」が「Arduino」ボードに搭載

Kevin Tofel (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-10-19 07:21

 1月のConsumer Electronics Show(CES)で初めて発表されたIntelの「Curie」モジュールが、出荷製品に搭載された。開発者やメーカーは、Intelの「Quark」プロセッサを搭載する「Arduino 101」を30ドルで購入することができる。

 「Arduino」ボードにはこれまで、スマートフォンやタブレットで一般的に採用されるARMアーキテクチャをベースとするチップが搭載されていた。しかし、Intelのx86プロセッサがArduinoに搭載されたからといって過度に期待してはいけない。Intelの「Core i7」や同等価格の「Raspberry Pi」並みの性能が得られるわけではないことは明らかだからだ。

 このボードに搭載されているのは、モノのインターネット(IoT)市場向けにIntelが提供する低電力チップである32ビットのQuark、384Kバイトのフラッシュメモリ、そして80KバイトのRAMだ。これに、デジタルシグナルプロセッサ、Bluetooth LE無線通信機能、6軸センサが組み合わされている。

 つまり、Arduino 101ボードは、自作ユーザーや、プロトタイプや新製品を開発する開発者をターゲットとしている。またIntelは、Arduino独自のCreative Technologies in the Classroom(CTC)プログラムの一環として、教育機関にも同製品を提供する予定だ。

 Intelが、成長するIoT分野の蚊帳の外に取り残されたくはないと考えているのは明らかだ。同社はモバイルが成長したときに、そのような過ちを犯したとされている。

 したがって、Curieモジュールが何らかの形でついに出荷を迎えたのは喜ばしいことだ。しかし、モバイル市場と同様に、実世界とデジタルの世界をつなぐ、Intel以外の選択肢が既に多数存在する。Curieが遅すぎたか、それともまだ足掛かりを得るための時間が残されているかについては、今後の動きを見守る必要がある。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]