モバイル通信の顧客満足度をビッグデータ分析--ノキアの通信事業者向けシステム

日川佳三

2015-10-26 07:00

 ノキアソリューションズ&ネットワークスは、携帯電話事業者向けのビッグデータ分析アプリケーション「CEM on Demand」を2014年から販売している。これを使うと、ネットワークのトラフィックデータや顧客データといった複数のデータソースを突き合わせて横ぐしで分析できる。

 グローバルでは欧州を中心に37事業者が採用済み。まだ国内に採用企業はないが、2015年4月に組織変更を受けて販売体制を強化しており、2016年上期の受注(トライアル導入)を見込む。


CEM on DemandのBIダッシュボード画面

 CEM on Demandは、CEM(Customer Experience Management、顧客体験管理)を実現するシステムだ。回線そのものの品質や料金、アプリケーション視点での品質、顧客アンケートから得られる評価、サポート満足度、などを顧客ごとにスコア化し、顧客一人ひとりの顧客満足度をCEI(Customer Experience Index、顧客経験指数)として0~100の絶対値で表す。このCEIをベースに、顧客体験を分かりやすく俯瞰できるようにする。

 通信事業者はこれまで、ネットワーク中心のアプローチ(基地局やエリアごとにネットワーク障害はないか)や、サービス中心のアプローチ(音声サービスやデータサービスなどのアプリケーションサービスを利用する上で問題はないか)で改善を図ってきた。

 これに対してCEMでは、顧客中心のアプローチで改善を図る。つまり、長期に契約している顧客や、SIMロックフリー端末のSIMカードを差し替えて移行してきた顧客など、タイプが異なるさまざまな顧客の体験を俯瞰して、それぞれの顧客に合わせて改善を図れるようにする。


ネットワーク階層(回線品質)とアプリケーション階層(サービスの利用品質)に加えて、
顧客体験の階層でサービス品質を把握して改善を図る

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]