デル・ソフト、中小向けセキュリティアプライアンスに新モデル

三浦優子

2015-11-02 17:32

 デル・ソフトウェアは10月29日、中小規模法人向けのセキュリティアプライアンス「Dell SonicWALL TZ」シリーズの新モデルを発表した。価格はオープン、11月中旬からの出荷を予定している。

 リージョナルディレクターである藤岡健氏は、「SMB(中堅中小企業)マーケットを中心にビジネスは好調で、マイナンバー対策という追い風もあり、2年前と比較するとほぼ2倍の出荷台数となっている。さらに注力し、SMBエリアでさらなるシェア拡大を実現したい。2016年は今年の5から10%増となるシェアを目指す」とシェア拡大に意欲を見せた。

シェア拡大を狙う

 新製品は、数人から10人規模の利用に適しており、DPI(Deep Packete Inspection)のスループットが50Mbpsの「SonicWALL SOHO W」、100Mbpsの「SonicWALL TZ300 W」、300Mbpsの「SonicWALL TZ400 W」、400Mbpsの「SonicWALL TZ500 W」、500Mbpsの「SonicWALL TZ600」の5モデル。

 セキュリティ営業本部 ネットワークセキュリティ技術部の安藤正之氏は新モデルが必要な背景として「通信環境のブロードバンド化がさらに進み、ワイヤレスでもストリーミングアプリを使うことが当たり前になりつつある。また、SSLの増大、悪意のあるトラフィックの増大など新しいセキュリティ機能の必要性も高まってきた」と説明した。

安藤正之氏
デル・ソフトウェア セキュリティ営業本部 ネットワークセキュリティ技術部 安藤正之氏

 上位モデルはNSAシリーズ、それ以外の製品はTZシリーズの既存製品を継承する製品だが、DPI最大同時接続数は大幅にアップした。SOHOは25%増、TZ400は90%増、TZ600は95%増、TZ500は215%増、TZ300は320%増となっている。

 機能としては、SOHOのみDPI SSLライセンスが必要だが、それ以外の製品はライセンス込み。GAV-IPSライセンスを取得することで、Geo-IPフィルタ、ボットネットフィルタ、アプリケーション可視化、アプリケーション制御、高可用性(冗長化)を利用できる。ただし、SOHOだけはアプリケーション可視化、高可用性には対応していない。

 ワイヤレス内蔵と外付けのワイヤレスを追加購入する必要があるモデルがあるが、「小さなオフィスで接続数とスペースが限られている場合は内蔵型が適している。規模の大きなオフィスで、複数の部屋がある場合には外付けのものを使っていただくことが望ましい。802.11acと802.11a/b/g/nが同時に必要な、デュアルワイヤレス要件の場合も外付けのワイヤレスアクセスポイントが必要」と付け加えた。

 「当社ではワイヤレスアクセスポイントのSonicPointを提供している。ここまでトータルで提供できることで、当社製品を選ばれているお客様もいる。ワイヤレスアクセスポイントも含めたセキュリティ強化という視点でも、安心して使っていただくことができる」(安藤氏)

藤岡健氏
デル・ソフトウェア リージョナルディレクター 藤岡健氏

 製品強化に加え、新たに競合製品を取り扱ってきた販売店を含め新規製品取扱店の獲得、社内営業体制の強化、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)など新分野を含めて事務機、家電メーカーとの協業などを実現し、SMB市場でのさらなるシェア拡大を進めていくことも計画している。

 藤岡氏は「SMBマーケットは好調で、マイナンバー対策などをきっかけに導入されるお客様も増え、当社でも過去最高の出荷台数を記録している。エンタープライズ分野についても、従来は当社のマーケットシェアは決して高くなかったが、製品の進化が理解されたことで導入数が着実に増えている。シェア拡大策を実行していくことで従来よりもシェア拡大を実現したい」と製品力と販売網の両方を強化し、シェア拡大を実現する意向だ。

 「特にマイナンバー対策として当社の製品の導入事例を紹介し、従来は外部との境界に置いていたファイアウォールを社内に導入し、社内から情報が出ることを防ぐソリューションとして活用することを訴えていきたい。新たな販売店獲得にもこうした取り組みが有効なのではないか」(藤岡氏)

SonicWALLはマイナンバー対応システムとしても活用できるという
SonicWALLはマイナンバー対応システムとしても活用できるという

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