マイクロソフト、ルート証明書プログラムから一部の証明書を削除へ

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-12-21 11:19

 Microsoftは米国時間12月17日、同社の「Trusted Root Certificate Program」(ルート証明書プログラム)に対する参加条件を厳格化し、要件を満たさない認証局(CA)が提供する一部のルート証明書を削除する計画だと発表した。

 Microsoftのガバナンス/リスク管理/コンプライアンス(GRC)を担当するエンタープライズおよびセキュリティ関連のグループプログラムマネージャーを務めるAaron Kornblum氏は、同社が承認した世界各地のCAからのルート証明書を受け付けるという同プログラムについて、信頼性が揺らぐおそれがあることを示唆した。

 同氏は、このプログラムに参加したCAの証明書は、ユーザーが使用している機器に送り届けられるようになると述べた。こういった証明書によって、どのプログラムやアプリ、ウェブサイトがMicrosoftによって信頼されているのかがユーザーの機器に伝えられるため、悪意のある、あるいはその疑いがあるウェブサイトを訪問した際や、システムに悪影響を与える可能性のあるソフトウェアをダウンロードしようとした際にユーザーに対して警告を出せるようになる。

 ただ同社は、サイバーセキュリティの状況が変化し、デジタルな世界での脅威が増加している現状を考えると特に、このプログラムがユーザーの安全を確保するうえでまだ十分ではないと感じている。

 Microsoftは複数のCAとの協議を続けた結果、このプログラムに変更を加えるとの決定を下した。

 そして同社は、Trusted Root Certificate Programに対してより厳格な規則と技術規定、監査手段を導入した。こうした新要件を満たせないCA、あるいは同プログラムからの脱退を選択したCAのデジタル署名は、2016年1月をもって削除されることになる。

 その結果、これらのルート証明書に基づく認証に依存しているサービスが影響を受ける。例えば、これらの証明書の1つを使ってHTTPSによるサーバへの接続を確立している場合、ユーザーがサイトを閲覧しようとした際に警告が表示される。また、これらの証明書の1つを使ってソフトウェアに署名している場合にも、ユーザーがそのソフトウェアを「Windows」上にインストールしようとすると警告が表示される。

Microsoftの「Trusted Root Certificate Program」(ルート証明書プログラム)から削除されるルート証明書のリスト
削除対象のリスト

※編集部注:当初「20の証明書を削除」としていましたが、削除対象となる証明書のリストが更新されたため、2015年12月22日に本文と画像を更新しました。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]