現在のビジネスを取り巻く環境は大きく変化しており、社員はより効率的で生産性の高い働き方が求められている。こちらで取り上げたデスクトップ仮想化(VDI)は、安全に会社のデスクトップへ場所を問わずリモート接続できる一方で、出社しないと内線電話への応答や社員同士の会話ができない、といったコミュニケーションが課題となる。
そこで、新たな働き方に対応するためには、いかに社内・社外を問わずに社員同士や外部とコラボレーションできる環境を整備し、合意形成や意思決定、情報の共有を迅速にできるかが重要となる。
今回は、ワークスタイル変革の中で、デスクトップ環境と並んで重要な要素である、コラボレーションを解説する。
なぜ効率化が必要か
現代の日本では少子高齢化が進み、今後ますます労働者人口不足の課題に直面するといわれており、継続的に経済成長していくには、1人当たりの生産性を高めていく必要がある。
一般社団法人 日本経済団体連合会が2015年に発表した「『豊かで活力ある日本』の再生」では、2030年までに目指すべき国家像が提示されている。ここでは、以下3つの観点に注目したい。
- 潜在力を引き出すこと
- イノベーションを生み出すこと
- 多様性を実現すること
3つをまとめると、潜在力を引き出すこと、つまり生産性を向上させ、イノベーションを生み出し、世の中に改革をもたらすこと、そしてダイバーシティ推進を図ることで、女性雇用や外国人雇用を推進していくとなる。
生産性向上と同様、ワークスタイル変革の目的としてあげられるワードに「イノベーション」がある。イノベーションを生み出していくためには、新しい発想やさまざまな観点からの意見が必要となる。そこで、さまざまな視点を持つメンバーと連携するためには、コラボレーションツールが必要不可欠である。
コラボレーションの種類
イノベーションを生み出していくためには、コラボレーションの時間を確保することや、連絡を取りたい相手といつでもどこからでも同じ応答性を実現していくことが重要だ。
これらを実現するコラボレーションツールは、チャット、電話会議、ビデオ会議、ウェブ会議とカテゴリ別に分かれる。
チャットでは、相手のプレゼンス状況に応じたコミュニケーションができる。例えば、外出している相手との連絡の場合に活用される。また、プロジェクト単位で情報交換をすることができるサービスも登場してきている。
電話会議では、緊急的に意思疎通を図ることができる。ビデオ会議は、人の映像のやりとりに主眼を置いた製品であり、意思決定で活用される。ウェブ会議では、デスクトップ画面の共有ができるので共同作業やセミナーなどで活用される。
さらに、これらのツールを目的や利用形態にあわせて使える環境を整える必要がある。より質の良いコラボレーションを実現するには、ビデオツールの活用が望ましい。われわれは、ほぼ全ての会議室にビデオ会議端末を導入し、拠点間、メーカー、顧客とコラボレーションしており、打ち合わせなどさまざまなシーンにおいて、なくてはならないツールとなっている。
そして、われわれが使用しているコラボレーションツールとしては、Cisco Jabber、Cisco TelePresence、Cisco WebEx、Cisco Sparkがある。