製品開発データを再利用して消費者が商品をカスタマイズ--ダッソー新サービス

NO BUDGET

2016-01-05 12:54

 ダッソー・システムズは2015年12月24日、消費財・小売業向けの新しいサービス「マイ・リテール・シアター」を発表した。

 写真のような画質の3Dビジュアライゼーション機能を消費財関連企業に提供する。消費者が自ら欲しい商品の構成や組み合わせを個別化し、変更、保存する機能をリアル店舗とオンラインショップの双方をつなぐ形で提供できるという。

 また、実店舗の規模に関わらず、全ての商品を表示できる機能も備え、小売業は消費者の選択肢を増やしつつ在庫リスクを低減できる。

  • マイ・リテール・シアターを使用して作成した参考画像

 同社は3D設計ソフトウェア、3Dデジタルモックアップ、プロダクトライフサイクルマネジメント(PLM)ソリューション大手。マイ・リテール・シアターは、その同社の3Dエクスペリエンス・プラットフォームを基盤としたもの。

 具体的には、製品開発に使われたデータを消費者向けのビジュアルエクスペリエンスへと再活用することで、小売各社と消費者の双方にメリットをもたらすという。

 3Dエクスペリエンス・プラットフォームの3Dフォトリアリスティック機能により、消費者はリアル店舗またはウェブ上で、タブレットやスマートフォン、タッチスクリーンベースのシステムなど双方向性を持つディスプレイ端末を使い、商品の選択、構成、パーソナライズ(個別化)を実施できる。

 例えば、競技用のフットウェア、ジュエリー、腕時計、革製品といった消費財を、インタラクティブなやりとりを通じて検討し、商品の色、素材、テクスチャを自身の好みに応じてカスタマイズする。商品の構成要素の表示は在庫状況にひも付いており、実際のリードタイムに基づく納入予定も確認できる。

 消費者はすべての構成や組み合わせを設定後、チェックアウトの手続きを実施し、自身がカスタマイズした商品をソーシャルメディアでシェア(共有)することも可能。

 マイ・リテール・シアターにより、店頭の在庫を3Dデジタル・フォトリアリスティック・イメージに置き換えることも可能。小売店舗では、店頭在庫を積み上げたり、店舗ディスプレイの質を落としたりすることなく、幅広い商品ラインナップを消費者に提示できるようになる。さらに、消費者の好みやトレンドに対する洞察を得ることで、自社のオンラインビジネスを最大限に拡大できる。

 Deckers Brands シニア・イノベーション・マネージャーのChris Hilliyer氏は、以下のようにコメントしている。

 「率直に言えば、これはお客様と対話し、選択肢を提供するということなのです。わずらわしい在庫管理を行うことなく、選択肢を無限に提供できるのです。3Dツールは、ブランドと消費者との関わり方を一変させます」

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