GROUNDは1月27日、アビームコンサルティングと提携して「インテリジェントロジスティクス」事業に取り組む方針を発表した。インドのロボットベンチャー企業であるGreyOrangeと資本業務提携したことも発表した。
インテリジェントロジスティクスは、複雑化、高度化する物流業務に対して、最先端技術を活用して、物流プラットフォームを構築。物流分野での根本的課題を解決することを意味するという。
GROUNDは2015年4月に設立。クラウド型物流業務フロー可視化ソフトウェアやクラウド型入荷管理ソフトウェア、物流ビッグデータプラットフォームの開発、販売のほか、今春からはインドのGreyOrangeが開発した自動搬送ロボット「Butler」を販売する。同社が事業方針などを説明したのは、創業以来初めてになる。
GROUND 代表取締役社長 宮田啓友氏
代表取締役社長の宮田啓友氏は「ハードウェアとソフトウェア、そしてビッグデータを活用することで、インテリジェントロジスティクスを実現できる。ソフトウェアは自社開発していくが、ハードウェアについては、国内外の研究機関、国内外のベンチャー企業と手を組んでいくことになる」と方針を説明した。
宮田氏は、楽天で執行役員を務め、物流部門を統括した経験などを持つ。GROUNDの顧問には、元ソニー会長であり、クオンタムリープの創業者で代表取締役、最高経営責任者（CEO）の出井伸之氏が就任している。
GROUNDは、ロジスティクス（Logistics）とテクノロジ（Technology）を組み合わせた「LogiTech」を標榜。物流領域に、ロボットや人工知能（AI）技術を活用することで新たなソリューションを提案する姿勢を示している。
宮田氏はまた、「生産年齢人口が減少する中でEコマース（EC、電子商取引）市場は急激に拡大しており、物流現場は厳しい状況に直面している。1時間で届けるようなスピード配送、商品数の増大におけるロングテール化、オムニチャネルへの対応なども求められている」と物流を取り巻く現状を説明した。
「新たな技術を活用することで物流現場を抜本的に変えていかなくてはならないと考えている。そこに創業の狙いがある。GROUNDは、LogiTechのリーディングカンパニーを目指す」（宮田氏）
アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル 赤石朗氏
物流だけでなく、バリューチェーン全体を最適化
今回のアビームとの提携では、インテリジェントロジスティクスのコンサルティングサービスで協業。アビーム執行役員でプリンシパルの赤石朗氏は狙いをこう説明した。
「今回の提携で当社は、Intelligent Logistics Centerの構築を支援する。当社が持つ統合管理ソリューションであるWorkForce Management（WFM）を活用することで人間とロボットを活用することで、最適化した物流センターを実現できると考えている。Butlerなどのロボットと人間をミックスし、作業、ヒト（機械）、モノ、カネの情報をリアルタイムに管理し、全体のリソースの最適化と、情報蓄積による改善分析基盤の構築を実現。物流だけでなく、バリューチェーン全体の最適化を支援することで日本の企業のロジスティクスのイノベーションに貢献したい」
アビームが支援するIntelligent Logistics Centerの全体像
GreyOrange 共同創業者 CEO Samay Kohli氏
GreyOrangeは、GROUNDに出資するとともに、GROUNDに2人の取締役を派遣。James Chan氏とNalin Advani氏の2人が就任することになる。
GreyOrangeの共同創業者でCEOのSamay Kohli（サメイ・コーリ）氏は、「GreyOrangeは2011年にインド・グルガオンで創業した。2015年にはシンガポールと香港にも拠点を開設し、アジア太平洋市場での展開を開始した」と同社の経緯を解説した。
