IDC Japanは2月18日、2015年第4四半期(10~12月)と2015年通年のクライアントPC市場出荷実績値を発表した。2015年10~12月の国内出荷台数は前年同期比16.4%減の245万台、通年の出荷台数は前年比31.4%減の1055万台となっている。
2015年通年の内訳は、家庭市場が前年比25.2%減の449万台、ビジネス市場が同比35.5%減の606万台。
2015年通年のベンダー動向を見ると、HPがシェアを0.2ポイント上げて4位に上昇。NEC Lenovoグループ、富士通、東芝、Dellも含めた上位5社は出荷台数を前年比で7割まで落としている。Appleとパナソニックはマイナス幅を1桁台に抑え、シェアをそれぞれ1.7ポイント、0.7ポイント上げている。なお、VAIOは、2014年7月設立のためこの比較の対象から外されている。
図1.2006~2015年国内PC市場出荷台数/対前年成長率:家庭市場/ビジネス市場別(IDC Japan提供)
表1.2015年 国内PC市場ベンダー別出荷台数(IDC Japan提供)
2015年10~12月の出荷台数は前年同期比16.4%減の245万台。家庭市場は同比13.5%減の112万台、ビジネス市場は同比18.7%減の133万台で、2015年第3四半期(7~9月)に続いて両市場とも2桁のマイナス成長となった。
2015年10~12月のベンダー別動向を見ると、上位5社の中で、Dellが前期から順位を1つ上げて4位になった。量販店向けの販路を強化して家庭市場で高く成長した。
NEC Lenovoグループの出荷台数は前年同期比15.7%減の66万台。シェアは前期から2.6ポイント減らして26.9%となった。
富士通の出荷台数は前年同期比24.1%減で42万台。シェアは前期と変わらず17.1%。東芝の出荷台数は前年同期比14.2%減で30万台。シェアは前期から0.1ポイント減って12.3%となった。
Dellは出荷台数のシェアが前期から2.0ポイント増の11.2%。家庭市場では、前年同期比50.5%増と高い成長を達成したことで、全体では同比1.5%増の27万台となった。HPの出荷台数は前年同期比11.1%減で25万台。シェアは前期から1.2ポイント減の10.3%となった。
図2.2015年第4四半期 国内クライアントPC出荷台数トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値)(IDC Japan提供)
IDC JapanでPC、携帯端末&クライアントソリューションリサーチマネジャーを務める片山雅弘氏は次のようにコメントする。
「PCはSSDの普及により故障が減り、CPUの性能は向上し進化を続けている。にもかかわらず、PCの出荷台数は減少傾向から抜け出せていない。逆にこのPCの進化があだとなった。これまで“壊れた”“動作が遅くなった”“容量が足りない”が買い換えの主な理由であった。しかし今、PCを買い換える意識すら薄らいでいる。この背後にPCの進化にアプリケーションの進化がついていけてないという根本的な要因がある」