IoTが可能にするあらゆるビジネスの資産管理--AT&Tが本腰

TechRepublic Japan Staff

2016-02-24 11:54

 AT&Tは、航空貨物追跡サービスの展開を、アジア地域の企業向けに拡大している。開発者向けに提供する資産管理ツールを拡充し、企業が貨物や貯蔵タンク、輸送コンテナ、機械設備といった資産をIoTの仕組みを使って監視できるようにしている。

 特に、航空貨物や重機、輸送コンテナなどを扱う産業で、幅広い資産の管理に利用されている。この際、資産を管理するためのIoTの導入が急増しているという。

 AT&Tの接続デバイス台数は過去4年間で1300万台から2600万台以上へと倍増。現在、車両やドローン、機械設備、スマートシティー向けにIoT技術の開発を続けている。具体的には、コネクテッドカーや重機、スマートメーター、車両管理、スマートシティーの街灯や信号機向けなどのサービスを開発する。

 AT&T Business Solutions IoT担当バイスプレジデント、Mike Troiano氏は「アジア地域の企業が、世界各地にある資産を管理するため、グローバルな事業展開地域を拡大している。石油販売会社がリアルタイムでの在庫確認を必要とする場合、医療会社が温度の影響を受けやすい医療用品を輸送する場合などでも、顧客企業があらゆる場所から資産を監視できる環境づくりを進めている」とコメントしている。

 AT&Tが各業界で提供している主なサービスについて説明する。

航空貨物

 企業が輸送資産の状況を遠隔監視するためのIoTサービス「AT&T Cargo View with FlightSafe」。貨物の損傷や紛失、盗難のリスクを最少化し、貨物の位置、温度、照度、動き、衝撃、圧力などの輸送状況を監視できる。

 2014年8月に米国で提供を開始した同サービスをアジア地域でも提供する。日本の物流管理大手のユーピーアール(UPR)と連携し、AT&TのIoT技術によって、顧客企業の空輸、陸運、海運業務をより効果的に管理できるようにする。輸送会社のリスク軽減、品質管理の向上、コスト管理に役立つ。

 UPRはこれを自社の物流管理基盤「World Keeper」に統合する。UPRの顧客は、輸送品を遠隔でより詳細に監視できるようになり、空輸、陸運、鉄道、海運による輸送中の輸送品を追跡できる。

貯蔵タンク監視

 石油・ガス産業の企業向けに新貯蔵タンク監視サービスを提供する。企業は、石油や化学品、圧縮ガスの入った貯蔵タンクのレベルを遠隔で監視できる。元売りや卸売業者による適時の納入に依存しているこうした企業は、この技術により車両管理、物流管理、工程管理責任者は、タンクの充填レベルをリアルタイムで把握できるようになる。フィールドにあるコンテナの容量、残量を遠隔で確認し、集荷・配達の効率化を図れる。

 石油ガス、再生可能エネルギーを米国内の数百の顧客に供給している総合エネルギー企業、Retif Oil & Fuelでは、AT&TのIoT通信接続機能を自社の貯蔵タンク監視システムに導入し、コストの節約と企業顧客へのサービスレベル向上を図っている。

 Retif Oil & Fuelの社長を務めるKenny Retif氏は「数千の貯蔵タンクをフィールドに設置している。AT&Tから通信接続機能の提供を受け、常にタンクの残量を正確に把握できるのみならず、集荷や配達が必要な時にだけドライバーを出せるようになった」と話す。

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