NEC、小売業向けシステム基盤--クラウドとIoT活用に対応

NO BUDGET

2016-03-04 14:31

 NECは3月3日、クラウド型店舗システムやモノのインターネット(IoT)対応を可能とする小売業向けシステム基盤「NECリテールシステム基盤」を開発したと発表した。小売業における商品マスタの登録、発注、精算といった店舗業務で発生するデータの参照、集計、更新処理を、クラウドと店舗のいずれでも実行可能とする。

 長年培ってきた小売業向け店舗システムの開発技術やノウハウ、社会インフラシステムの24時間365日稼働を支える高信頼技術などを活用して開発したもの。さまざまなデータをクラウドでも管理でき、場所を選ばない業務運用を可能にするという。

 また、店舗でのIoT活用にも対応し、カメラ映像やセンサなど大容量で多頻度なデータをもとにした新たな顧客サービスの開発を支援する。NECの試算では、個別開発と比較して基盤開発工数の80%程度を低減可能とのこと。

 近年、小売業においては、オムニチャネルへの対応やグローバル展開の加速に向け、各店舗にサーバを設置する従来の店舗分散型モデルから、データセンターにサーバを設置するクラウド型モデルへの変更を検討する企業が増加しつつある。

 しかしながら、ネットワーク障害などが発生すると店舗業務が継続困難となるリスクに加え、店舗でのIoT活用によるデータ量の爆発的増加にともなうネットワーク費用の増加が課題となっている。一方で、新たな国や地域へのテスト出店や小規模店舗に従来型の店舗システムを導入することは投資対効果があわず、クラウド型と店舗分散型の混在を可能とする柔軟な店舗システムへのニーズが高まっている。

 こうした課題に対し、NECリテールシステム基盤では、店舗規模や出店形態に応じてクラウド型と店舗分散型の店舗システムを混在させるハイブリッド構成や、クラウドと店舗で発生するデータをリアルタイムに同期できる。場所と時間を選ばない業務運用を可能にする。

 また、店舗サーバの障害発生時にはクラウドへ、ネットワークの障害発生時には店舗サーバにそれぞれ切り替えて業務を継続することや、新規出店時における店舗サーバの費用と導入管理工数などを低減する。

 Windows、iOS、AndroidのOSごとに業務アプリケーションを開発、保守することなく、1つの業務アプリケーションを各OSで利用可能。これにより、さまざまな種類のスマートデバイスを業務に利用したり、端末故障時や繁忙時間帯などに他用途で利用している端末を流用したりできる。費用低減や業務継続性の確保につながる。

 店舗に設置したカメラ映像やセンサなど大容量で多頻度なデータの処理にも対応しており、求められる処理速度と内容に応じて、クラウドと店舗のいずれかでの処理を柔軟に選択できる。これにより、収集したデータをもとに新たな顧客サービスや店内状況の把握、各種機器の稼働状況を一元管理する。

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