次に知見の共有だが、こちらは大きく
- 顧客の特性
- データの特性
- 分析手法
についての共有を目指す。
まずは文章化や勉強会での社内共有である。他領域のデータ分析は担当チーム以外はなかなか実施する機会がないため、情報共有は自社の顧客やデータの理解について重要である。
また社内共有以外にも、対外的に
- 自社ブログ
- 社外勉強会
- セミナー
といった方法や、学術的なテーマであれば
- 論文
といった形で対外的なアピールを目指す方法もある。
また分析力が付いてきたらこちらのニュースのように、KDDカップのような社外データ分析コンペに参加し、上位入賞を目指すという方法もあるだろう。成果を共有することでメンバーのモチベーションを上げ、対外的にはデータ分析に積極的な企業であることをアピールできれば人材確保の際にも有利に働くことだろう。
最後に経営層を巻き込む、についてだが、企業の多くの意思決定権を持つ経営層にデータ分析に対し、費用を投じてもらうよう働きかけることが大幅なビジネスへのデータ活用促進には欠かせない。トップダウンでの号令がかかれば、複数の部門間を横断したデータ分析基盤の構築や企業間のデータ連携の可能性も出てくる。より多様なデータが集まれば、これまでとは別の切り口でのデータ分析が可能となる。
また、このフェーズでは初期の分析テーマとして掲げていた「マーケ部のビジネス課題」から「経営層のビジネス課題」といった全社視点でのデータ分析に移行する。競合企業の動向調査や広告予算の最適配分、各サービス間の横断分析といった意思決定に役立つより俯瞰的な分析が求められるようになるが、既に自社の顧客とデータに精通している分析チームであれば、経営層の期待に対しても応えることができるであろう。
まとめ
- 3要素全てのスキルに精通する人材はなかなか見つからない
- まずは違いの領域を学ぶ意欲のある情シスとマーケの2人でスモールスタート
- 成功事例ができたらチームの複数化と専門化、社内外への情報共有
- 最終的には経営層の課題解決を目指す
- 大城 信晃 DATUM STUDIO株式会社 DMPプランナー
- ヤフー株式会社にて製品データの基盤構築、その後データ分析部門にて広告効果測定、行動ターゲティング、DMP構築に従事。現在、データ活用を課題とする企業のDMP構築支やデータ活用のコンサルティングを行っている。多種多様なデータのビジネス活用と可能性を発見すべく、がんばっている。