京都産業大学、教育基盤のBYOD化を促進するネットワーク環境を構築

NO BUDGET

2016-04-11 11:08

 京都産業大学は、BYOD(私物端末の業務利用)を推進するためのネットワーク環境を構築することを目的に、IPv4枯渇対策とIPv6移行に特化したゲートウェイ「A10 Thunder CGN」を導入した。A10ネットワークスが4月7日に発表した。

 京都産業大学では、全ての学生と教職員が自由に往来できる「ワンキャンパス」の強みを最大限に発揮し、特色ある学びの場を提供している。その一環として、私物の端末からレポートを提出したり、評価を確認したり、テストを受講したりできる学習支援システムを運営していた。

 学習支援システムには、ネットワークアドレス変換(NAT)によってIPアドレスを変換することでグローバルIPからもアクセスできる。しかし、システムの構成上、1つのグローバルIPアドレスあたりの同時接続数が限定されており、単一のグローバルIPアドレスから一定以上のアクセスがあると、サービス拒否(DoS)攻撃と判断して通信を遮断するようになっていた。

 例えば、授業中のアクセスなど、1つのグローバルIPアドレスをNATで共有する機器が多い場合、通信が遮断されてしまう問題があったという。持ち込みの私物端末が増えるにつれて状況が深刻化していた。

 A10 Thunder CGNのキャリアグレードNAT(CGNAT)機能は、大量の同時セッション数と新規セッション数に対応している。通信事業者で多くの導入実績がある。NAT変換の対象となるグローバルIPアドレスをより多く確保する一方、それにひもづくプライベートIPアドレス数を拡張することで、1つのグローバルIPアドレスへのアクセス集中を分散する。

 導入効果としては、(1)1つのグローバルIPアドレスあたりにひもづくプライベートIPアドレス数を低減、グローバルIPあたりの同時接続数を分散させることにより通信遮断を回避、(2)端末数の増加に耐えうる、BYOD推進のためのネットワーク環境を構築、(3)保有するグローバルIPアドレスを有効活用――を挙げる。

 BYODの普及を見込み、学生1人あたり5台のデバイスまで利用できる想定で新しいネットワークインフラを設計。IPアドレスの範囲を分散設定する必要がなくなったため、無線LAN用に確保した6万5000件のプライベートIPアドレスも有効活用している。

京都産業大学ネットワーク構成図
京都産業大学ネットワーク構成図(A10ネットワークス提供)

 今後はIPv6への移行を計画しているほか、A10 Thunder CGNの活用範囲をSSL処理の高速化やウェブプロキシサーバ、クラウドサービスの負荷分散にも拡大する予定。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]