カルビーは、経営体制の変革を機に、これまで自社仕様のカスタマイズや5000にもおよぶアドオンプログラムやが組み込まれ複雑化していた基幹システムを再構築し、98%ものアドオン削減を実現した。新システムは1月より本格稼働を開始し、大幅なスピードアップを実現したという。製品を提供したSAPジャパンが4月18日、発表した。
カルビーでは創立60周年の2009年、「イノベーション」「コスト・リダクション(費用削減)」を経営の2本柱に据え、経営体制を一新した。イノベーションにおいては、(1)海外事業の拡大、(2)新製品開発、(3)国内シェア拡大、(4)2009年に業務・資本提携した米国PepsiCoとの連携強化、 (5)ロジスティクス&オートメーション(L&A)、(6)新規事業開発の6つを柱とし、費用削減ではシンプル化・標準化をテーマに新たな展開を進めているとのこと。
カルビーが過去10年以上年以上にわたり活用していたのはSAPの基幹システムだったが、自社仕様のカスタマイズや5000にもおよぶアドオンプログラムが組み込まれ、非常に複雑化していたという。これに対し、新たな経営理念を実現するためには業務のシンプル化や効率化を支えるIT基盤の見直しが必要と判断し、2013年秋ごろから基幹システムの刷新を検討しはじめた。
複数社の製品を検討した結果、スピード、安定性、世界的な実績などを評価し、SAPのインメモリプラットフォーム「SAP HANA」に完全対応した基幹業務システム「SAP Business Suite powered by SAP HANA」を採用することを2014年9月に決定した。
新基幹システムの構築は、アドオンプログラムを徹底的に減らすという方針で進められ、最終的に98%のアドオンプログラムを削減することができたという。また、従来は業務に必要なさまざまなレポートの抽出にも時間を要していたのに対し、SAP HANAをベースにしたシステムにしたことで大幅なスピードアップを実現し、経営判断のスピード向上や徹底的な業務のシンプル化につながっているという。