「OpenStackエコシステム以外との連携こそ要」:OpenStack Summit2日目

松下康之

2016-04-28 12:46

 テキサス州オースチンで開催されたOpenStack Summit 2016の2日目はOpenStack Foundationの最高執行責任者(COO)、Mark Collier氏が登壇したキーノートで始まった。Collier氏のトークのテーマは「Collaborate or Die」(コラボレートか死か)で、これから2020年までにIoTデバイスが500億台、それらのデータをさばくサーバが4億台必要になるというリサーチの結果からOpenStackだけではなくさまざまなソフトウェアと連携しなければ、IoTの世界には生き残れないと語った。


OpenStack FoundationのCOO、Mark Collier氏

 さらに直近のユーザーサーベイの結果を紹介し、ユーザーの興味がコンテナ、SDN/NFV、ベアメタルに集まっていることを説明。


ユーザーの興味のトップはコンテナ

 つまりOpenStackだけではなくそれ以外のソフトウェア、サービスとの連携こそが重要であることを強調した上で、最初のゲスト、Time Warner Cableをステージに招いた。ここでOpenStack以外に計算資源管理ソフトウェア「Mesos」を使ってベアメタルクラスタを利用していること、少人数のチームでそれを実現していることなどを紹介。

 次にLivePersonというチャットサービスをSaaSで提供している企業を紹介した。LivePersonはOpenStackのDiabloリリース(最初のバージョンから4つ目)からの古いユーザーでこれまで利用していたモノリシックな(統制された)アプリケーションを150のマイクロサービスに分解し、それをコンテナの形でOpenStackの上で稼働させているという。利用しているのはDockerとKubernatesで、7カ所のデータセンターで稼働している。今後はベアメタルを検討しており、そのためにベアメタルプロビジョニングのためのコンポーネント「Ironic」を利用する予定であるという。

 Collier氏のプレゼンテーションは北米のOpenStackユーザーだけではなくチェコのスマートシティの事例に進み、ピーセクという街でのスマートシティ実証実験を紹介。ここではチェコでの事例だけでなく、実際にオースチンのコンベンションセンターの会議室に室温センサ、湿度センサ、酸素濃度センサを設置してデータフィードをビジュアライズ化させるデモを実施した。

 システムの開発を担ったtcp cloudによればデータフィードを受け取るチェコのサーバは、OpenStack、センサデータを送るデバイス側はRaspberry Piであるという。ここでもインフラであるOpenStackは黒子であり、その他のシステムとのコラボレーションが必要であるということを示したといえる。


センサからのデータを可視化するデモを実行

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]