OpenStack専業ベンダー Mirantisの謎を解き明かす(後編)

松下康之

2016-05-11 07:00

 前編に引き続き、OpenStack専業ベンダー Mirantisを探る記事の後編ではインタビューを紹介する。まず話を聞いたのはKamesh Pemmaraju氏だ。役職はVP of Product Marketing and Technology Alliances、つまり製品企画のトップである。しかしTechnology Alliancesとあるように製品のマーケティングだけではなくパートナーマーケティングも含むという。


Kamesh Pemmaraju氏(VP of Product Marketing and Technology Alliances)

 元DellでOpenStackを担当しており、かなり早い時期からOpenStackをビジネスとして扱っていて、OpenStack Summitも過去に11回も参加しているという。Dell在籍時はOpenStack戦略の製品責任者でもあったわけだ。

 Pemmaraju氏によればMirantisの売り上げはトレーニング、OpenStack導入や運用に関わるプロフェッショナルサービス、製品サポートのサブスクリプションの3つで成り立っている。

 サブスクリプションはオープンソースソフトウェア自体のサポートを担うもので他にはRed HatやCanonicalなども提供している。ライセンス価格がないオープンソースではよく見られるサービスだ。

 トレーニングとサブスクリプションは判りやすいが、Mirantisにおけるプロフェショナルサービスはコンサルティングからカスタムメイドのコンポーネントの開発までと非常に幅広い。

 要はOpenStackを使ったプライベートクラウドを構築するためにヒアリングから始まって、足らないものは顧客と一緒に作るという部分まで含まれている。

 その状況で開発したものはUpstream(OpenStack Foundationが管理する最新のコード)に還元する場合もあるが、それはケースバイケースということだ。

 さらに製品のサポートにおいて平日、9時~18時という通常のサポートに加え、24時間365日のサポート、さらにプロアクティブサービスというサービスメニューが存在している。これはMirantisのエンジニアがオンサイトに常駐して、常に顧客の運用するOpenStackの状態をモニタリングするというものだ。

 その他にもStackLightというロギングツールを利用してOpenStackクラスタを監視することも可能で、StackLightはMirantis OpenStack 8.0にも含まれている。

 ここでもMirantisは顧客に向かって必要なものは全て用意するという強い意志を感じるのだ。ここでもMirantisの言うPure Playは「ベンダーロックインをしないという意味である」ということが強調された。

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