金融向けの好調で20%営業増益、NTTデータが2016年3月期決算を発表

羽野三千世 (編集部)

2016-05-10 18:07

 NTTデータは5月10日、2016年3月期の連結本決算を発表した。受注高は1兆6626億円と前期比16.3%増加、売上高1兆6148億9700万円(同6.8%増)、営業利益1008億8500万円(同20.1%増)、当期純利益633億7300万円(同97.1%)。銀行向け事業の好調、流通・製造業界向けの収益拡大、欧州を中心とした海外事業の好調により増収増益となった。なお、今回の決算では、3月に買収したDell Services部門は連結対象になっていない。

 セグメント別の業績を見ると、官公庁、医療、通信などの「公共・社会基盤」セグメントでは、中央省庁とテレコム業界向けの既存ビジネスの規模縮小があったものの、電力・ガスなどのユーティリティ業界向けが伸び、売上高4208億円と同2.9%増した。一方、利益面は不採算案件の発生などにより同17.3%の営業減益だった。

 「金融」セグメントは、金融機関の決済システム24時間365日化への対応、規制緩和を契機とした大手銀行のIT投資拡大、地方銀行のシステム共同化ニーズの高まりなどにより、売上高5236億円(同5.5%増)、同55.7%の営業増益と好調だった。

 流通や製造、サービス業向けの「法人・ソリューション」セグメントは、流通業でのオムニチャネル対応、製造業におけるIoT/IoE分野への取り組み拡大などにより、売上高3918億円(同7.0%増)、同32.7%の営業増益となった。

 「グローバル」セグメントも、欧州市場での売り上げ拡大、2015年6月に買収を発表した米金融ITコンサルティング会社Carlisle & Gallagher Consulting Groupの新規連結により、売上高5196億円と同11.9%増加した。なお、3月に買収したDell Services部門は2017年3月期の下期を目途に連結対象に加わる見込みだ。

 2017年3月期の業績予想は、売上高1兆6500億円(2016年3月期比2.2%増)、営業利益1050億円(同4.1%増)。電力・ガス業界での制度改正へのシステム対応ニーズ拡大、銀行業界での決済高度化や海外進出の加速、グローバルでのM&A実施を見込み、増収増益を見込む。

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