海外コメンタリー

必要とされる人材は「起業家+企業人」のハイブリッド

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-06-07 06:00

 その女性は過激なイノベーターで、あらゆる科学のルールとビジネスの従来の手順を破ってきたが、彼女の奇抜なアイデアは商業的に大きく成功し、顧客から高く評価された。また別の生真面目な男性は、ある製品を本番環境に移行する前に、すべてのコードを慎重にテストし、そのソフトウェアがすべてのセキュリティ標準に合致し、業界標準に準拠していることを確認し、法務を含む社内のすべてのチェックポイントをクリアするという仕事をした開発者だった。

 ある日、X社の人事担当者の机にこの2人の履歴書が届いたが、あっという間にごみ箱行きになってしまった。

 なぜこんなことが起こるのだろうか?


提供:Martinan

 X社が必要としていた人材には、新しい世界を開拓し、旧弊を破るアイデアを思いつく起業家的な考え方を持つと同時に、企業文化に一定の経験を持っており、コンプライアンスやセキュリティ、ガバナンス、他の事業部門からの支持などに対して敏感さも備えていることを求められていたからだ。

 この2つの資質について、もう少し詳しく説明しよう。

リスクを受け入れる能力

 筆者は以前、1年以上も失敗続きだった、大金の掛かったプロジェクトのマネジメントを引き受けたことがある。これは中間管理職になりたての時期で、もし失敗したとしても、自分にとって最悪のことは、首になることだけだと考えていた。われわれはこのプロジェクトを軌道に乗せることに成功し、この成功はその後筆者が幹部役員に昇進するために役立ったが、もし失敗すれば解雇されることを覚悟していた。こういう管理職は他にも多くいるし、この種の人材は、企業によるモノのインターネット(IoT)のマネジメントなどの、新しく、リスクの高い仕事に向いている。

組織内手続きに対する敏感さ

 幹部役員や、多くの中間管理職の仕事には、新商品が検証不足であったり、コンプライアンスやガバナンス、セキュリティ標準などに準拠していないことが、企業や、企業の幹部、役員会などを法的に追い詰める可能性があるというリスクに目を配ることも含まれている。それらの要件に敏感でありながら、同時に起業的な活動や理不尽なプロジェクトのリスクを負う能力を持っていれば、企業が求める起業家精神と企業文化への理解を備えたハイブリッドな管理職の条件を満たす可能性がある。

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