ウォズニアック氏、AIやVRを斬る--ジョブズ氏とアップル黎明期の思い出も - (page 2)

Teena Maddox (TechRepublic) 翻訳校正: 編集部

2016-06-18 06:00

 「当時、われわれはまだ20代前半で、あらゆることから学び、熟考を重ねる習慣を身に付けようとしていた。とにかく金に困っていた。貯金などあるはずもない。Appleを起業する数百ドルをかき集めるために、Hewlett-Packardのコンピュータまで売り払った。それは当時の私が所有していた、最も高価な物だった」

 「私はとにかく、自分が造り上げた物を人々に披露したかった。独創性で人々を驚かせることが私の至上命題だった」

 Wozniak氏によると、彼が発明したフロッピーディスクドライブは、社員との対立を避けたいという気持ちの産物だったという。Appleの創業直後で開発作業が多忙を極めていたとき、彼はインスピレーションを得た。

 「私は偉大な製品を幾つも世に送り出した。プログラムを書き込めるようにするフロッピーディスク(ドライブ)もその一つだ。あれは私にとって最大級の発明だった。どのように生まれたのか、気になるだろう。英知の結晶だと思うかもしれないが、事実はかなり異なる。当時、Appleはラスベガスで開催されるConsumer Electronics Show(CES)に出展できることになり、3人のマーケティング担当者が参加することになっていた」

 「私は創業者としての強権を発動して、ラスベガス行きの権利を手に入れたかった。だがシャイだった私は、ミーティング中にそんなことを言い出せない。だから私は手を挙げて言ってみた。かつてなかったようなフロッピーディスク(ドライブ)をCESまでに完成させて、展示したらどうだろうと。すると、Mike Markkulaが同意してくれたんだ。そこで私は考えた。CESまでの2週間でフロッピーディスク(ドライブ)を完成させれば、こいつらは私をラスベガスに連れて行かざるを得なくなるぞ、と。ちなみにその開発には、通常であれば1年はかかると見込まれていた」

LisaとMacintoshの時代

 Apple I、II、IIIに続いてAppleが世に送り出したのが、「Lisa」だった。

 「Lisaはマウスで操作する史上初のコンピュータだった。今日の価値に換算すると、Lisaの価格は2万ドルと極めて高価だった。その理由は、Steve Jobsがコンピュータの造り方を知らず、製造コストに関する知識もなかったからだ」

 「その後、Macintoshが誕生した。Macintoshはコンピュータではなかった。あれはコンピュータの姿を借りたプログラムであり、オペレーティングシステムの代わりにディスクシステムを搭載していた。Macintoshの価格はLisaよりも多少低く抑えられたが、抱える問題が多すぎた。壮大な失敗作だった」

 「そうしたリスクはあったが、AppleとしてはMacintoshの販売を推し進める以外に道はなかった。だがSteve(Jobs氏)は労力を惜しんだ。そしてAppleは彼の首を切らなかった。彼は自分のあらゆる望みを叶えて余りある、数十億ドルもの金を手に入れたかもしれない。彼は自分のあらゆる望みを叶えて余りある、豊かなインスピレーションを手に入れたかもしれない。しかし、3年を費やしてMacintoshを使い物になるまでに仕上げた功労者は、John Sculleyだった」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]