海外コメンタリー

注目高まる「ホワイトハットハッカー」、企業が採用する利点とは

Aimee Chanthadavong  (ZDNet.com.au) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-06-24 06:00

 ハッカーといえば、他人のコンピュータに不正にアクセスし、現金やアイデンティティ情報を盗んだり、最近ではただ混乱を引き起こすといった、犯罪がらみの行動をとる人々だというイメージがずいぶん前から定着している。


提供:iStockphoto/supershabashnyi

 Sony Pictures Entertainment(SPE)が、北朝鮮の関与によるとされている攻撃を受け、1500万ドルの損害を被っただけでなく、Sylvester Stalloneさんなど、ハリウッドの数多くの有名人との関係に亀裂が生じた事件も含め、近年ではハッカーによる攻撃が大きな話題を呼ぶことも珍しくない。SPEの一件では、パスワードや、電子メールの内容、従業員の個人データ、パスポートのコピー、社会保障番号がオンライン上に流出した。

 また、不倫相手を紹介するサイトAshley Madisonがサイバー犯罪の標的になった事件も世界中の注目を集めた。この攻撃を仕掛けたハッカーらは当初、同サイトが運営されている限り毎日、その顧客データを公開すると脅迫していたが、最終的に電子メールアドレスやクレジットカード情報を含む、およそ10Gバイトにおよぶ顧客情報を公開した。

 こうした数々の攻撃により、善良なハッカーの評判までもがおとしめられたものの、PayPalの子会社であるBraintreeでコマース部門の責任者を務めるHarper Reed氏は、ハッカーを「極悪な」人間として描き出した報道関係者に問題があるとして非難している。

 「ハッカーは必ずしも犯罪者だというわけではない。彼らは、自らがあるべきだと考えているかたちに世界を変えようとしている単なる普通の人々だ。この形容は、善良な人々すべてにも当てはまる表現だ」(Reed氏)

 自らもハッカーだと称するReed氏の説明によると、ハッカーはパズルの解決を行動規範にしているため、その定義はかなり幅広いものになるという。

 「世の中には、会社の発展に力を注いでいる素晴らしいハッカーがいる。また、世界を変えている人々のなかには物議を醸す行動に出ている人々もいれば、極めて平凡な行動を採っている人々もいる。一方、開発者たちと共に仕事をしており、『本当に素晴らしいハックだ』と思ったものがあったとしてほしい。それは身体障がい者のアクセシビリティを高める何かかもしれないし、政府の文書を流出させる何かなのかもしれないのだ」(Reed氏)

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