調査

クラウドへの信頼性が業績に影響?--グーグル委託調査

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-07-05 06:30

 Googleの委託調査によれば、多くのビジネスリーダーは、少なくともITの一部をクラウドに移行すべきだと考えているが、クラウドを信頼しない限り、大きな経済的メリットを受けることはないという。

 Economist Intelligence Unit(EIU)が実施したこの調査で、企業の99%は少なくとも部分的にはすでにクラウドコンピューティングに依存しているが、クラウド環境に「非常に高い」水準の信頼を置いているのは16%にすぎないことが明らかになった。クラウドに高い信頼を置いている企業は、前年比で利益が9%増加している一方で、懐疑的な態度を取っている企業は1%しか増加していなかった。

 調査報告書では、「信頼が高い組織における、クラウド技術に対する信頼と事業成績の好調さの関係は、クラウドの利点を活用して事業の変化を促進しようとする意欲とリンクしているように見える。一言で言えば、クラウドに対する高い信頼は、組織内における行動とプロセスの変化を後押ししているように見えるということだ」と述べられている。

 EIUは、10カ国の452人の経営幹部に対して調査を実施し、クラウドの利用状況と、セキュリティ、信頼性、アクセシビリティ、規模に対する姿勢について尋ねた。

 報告書には、クラウド環境に対する信頼感を醸成できるかどうかは、経営幹部のリーダーシップに掛かっており、従業員のクラウド上での業務遂行を支持したり、規模の大小に関わらず、従業員にクラウドを利用して組織の行動を変える試みを推奨したりすることが重要だとある。

 クラウドに対する高い信頼は、利益の伸びとともに、企業の対応の俊敏さやイノベーションを起こす能力、評判といった財務以外の指標にもプラスの影響を与えているという。

 調査では、企業の積極的なクラウド利用を妨げている最大の要因はセキュリティであり、回答者の45%は、セキュリティがクラウド利用を増やす主な障害の1つだと述べていることが明らかになった。また、34%がコンプライアンスや規制の問題を挙げており、26%が既存のオンプレミスシステムとの統合が出来ないことが原因だとしている。このほか回答者の20%以上が、標準がないこと、必要な機能が利用できないこと、企業で技術的な専門性が欠如していることなどを要因として挙げた。

 Googleのエンタープライズ向け事業部門は、「Amazon Web Services」などの競合サービスに後れを取らないよう努力を続けており、これらの懸念を解消する取り組みを進めている。例えば同社は、2016年4月にGoogleのクラウドプラットフォームでセキュリティとプライバシーに関する認証を取得した。

クラウドへの信頼性と業績調査

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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