英国の調査会社IHS Markitの日本法人であるIHSマークイットテクノロジー(IHSグローバルとマークイット)は8月24日、各通信事業者が提供しているモバイル回線の体感性能を実際にフィールドで調査して分析する情報サービスを、「RootMetrics」ブランドで日本でも開始すると発表した。
日本のモバイル回線の性能を、年に2回、フィールドで測定する。第1回目として、6月に2カ月をかけて東京、札幌、横浜の3カ所で、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、KDDI(au)の3キャリアの体感性能を測定した。
ビジネスモデルは、サブスクリプション契約を結んだ顧客に対して、詳細な調査データを提供するというもの。サマリー(要約)レポートを提供するとともに、顧客の需要に応じて、細かい個々の調査データも提供する。想定する顧客は、モバイル通信事業者や各種インフラ事業者などだ。
例えば、モバイル通信事業者が同サービスを利用すると、競合他社と比べた自社の回線性能が分かる。フィールドで実際に調査しているため、インターネット接続に使っているルーターの問題など、コアネットワークの外側にあるために簡単には気付くことができない性能悪化の要因などにも気付くことができるという。
顧客向けの詳細なレポートのほかに、一般消費者から見て分かりやすいように性能を100点満点でスコア化した簡易レポート「RootMetrics RootScoreレポート」も作成し、Webサイトで公開している。日本の調査結果をスコア化した簡易レポートも、8月24日に公開した。
IHS Markitはこれまで、北米と英国を中心に、欧州(アイルランド、スペイン、スウェーデン、フランス)や韓国などでモバイル回線の性能調査サービスを提供してきた。今回新たに、日本でも同サービスを開始したかたち。日本国内の顧客を獲得する狙いのほか、各国の顧客が日本のデータを欲しているという状況もある。