米ZDNet編集長Larryの独り言

クラウド事業の新ブランド「Google Cloud」発表の狙い

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2016年10月04日 06時00分

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 Googleは米国時間9月29日、同社のさまざまなクラウドサービスを統合し、「Google Cloud」という新たなブランドの下で提供していくと発表した。そして同日、より注目に値するニュースも発表した。インテグレーターとの提携や、顧客の運用チームと密に連携するエンジニアの新たな役割に関するものだ。


提供:Google

 Googleは同社のさまざまな法人向けクラウドサービスをGoogle Cloudという名称の下で統合したが、最大の動きとして注目すべきは、同社が統合や顧客サービスに対して真剣に取り組んでいる点をあらためてアピールしようとしているところにある。

 Stephanie Condon記者が報じているように、Googleはさまざまな法人向けサービスをひとまとめにし、Google Cloudとして提供するようになった。Google Cloud担当シニアバイスプレジデントを務めるDiane Greene氏の言葉を借り、ひと言でまとめると、「Googleのすべての力がCloudの中にある」ようになったという状況だ。実際のところ、同社はこれまで「Google for Work」や「Google Cloud Platform」「Google Apps」「Enterprise」といった名称でサービスを提供していたが、今後はすべてがGoogle Cloudという名称になる。

 リブランディングは1つの戦略としては有効だろう。しかし、Googleは法人分野で真剣に取り組む気があるのだろうかという、かねてからの懸念を解消できるようなかたちで、同社がサービスを統合できるかどうかは、また別の話だ。Greene氏によると、法人利用という観点で見た場合、Google Cloudに対する懸念は解消されているという。とは言うものの、いつまでもベータ版を提供し続けるというGoogleの評判が原因で、企業の最高情報責任者(CIO)らは自社インフラとしての全面的な採用に二の足を踏んでいる。

 時が経てば、こういった懸念が解消されるという可能性もある。しかしケーススタディや、顧客の獲得、より良いサービスの提供によって、同社に対する懸念はずっと早く解消されるはずだ。

 これこそがGoogle Clouldの持つ重要な目的なのだ。要するに、統合への取り組みを拡大し、成功に向けた道筋を付け、大規模なインテグレーターを巻き込もうというわけだ。

 Google Clouldで注目すべき点は以下の通りだ。

  • Google Cloudは顧客に密着した存在となる。Googleは同社チーム内で新たに「Customer Reliability Engineering(CRE)」という役割を作り、同社のエンジニアと顧客との関係を緊密なものにしようとしている。これらの役割を担うエンジニアらは顧客の運用チームと一体となり、Googleが持つエンジニアリング関連の専門知識を提供していく。CREが適用された企業の例としては、「Pokemon GO」の開発元であるNianticがある。
  • Googleは、「Google Container Engine」への取り組みを通じて、複数クラウドの統合という目標に向けて注力していく。同社は、オープンソースのコンテナ管理システム「Kubernetes」によって、複数のクラスタやクラウドをまたがったワークロードの配備が可能になると考えている。
  • AccentureはGoogleと提携し、Google Cloudのテクノロジを用いて各業界に特化したツールを開発していくと発表した。両社は小売業界やヘルスケア業界、コンシューマー製品業界、エネルギー業界、金融業界に注力していく予定だ。Accentureは「Android」やアプリ、ビッグデータ、機械学習に至るまでのあらゆるものに取り組んでいく。また、Google CloudがAccentureのマルチクラウド管理プラットフォームに統合されることになる。

 これらの動きはいずれも、企業の興味を引くものではない。Googleはコンシューマーの興味を引くことには成功している。同社が法人分野で必要としているのは、上質の顧客エンゲージメント生み出すうえで必要となる基本的な道具立てだ。要するに、Google Cloudの成功を左右するうえで、新たなテクノロジよりも基本がはるかに重要となるのだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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