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2020年に社員の50%を自宅勤務に--デル最高顧客責任者に聞くEMCとの合併

末岡洋子

2016-10-27 09:00

 DellがEMCの買収を完了し、Dell Technologiesとして歩み出した。Dellで最高マーケティング責任者(CMO)を務めたのち、EMC買収により最高顧客責任者(CCO)に就任したKaren Quintos氏は、顧客こそ企業の差別化につながると説く。

--新生Dellがスタート


karen Quintos氏、3児の母でもある。「ライフワークバランスではない。ライフとワークの協調関係が重要」と語る。
DWENはイベント終了後1カ月で次のDWENの準備に取り掛かるなど、年間で最も楽しみなイベントの1つだという。

 Michael(Dell、創業者兼CEO)はとても難しく、戦略的な賭け(=EMC買収)をした。IBMはインフラ事業から抜け、サービスも多くを切り離し、新しい技術に賭けている。これを公開企業としてやろうとしているが、市場は企業が戦略的シフトを進めるのを忍耐強く待つことはあまりない。

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)はPCを切り離してできた企業で、さらにサービスや一部ソフトウェア事業をスピンオフしている。こちらも公開企業だ。

 これに対し、Michaelはスケールにかけている。市場での戦いにはスケールが重要だと考えるからだ。PCとエンタープライズがあって初めてスケールが出せるし、そこからコストメリットが得られる。コンシューマーから大企業までを顧客とし、エンドツーエンドで製品、ソリューションを提供できる。コンシューマーの世界がBtoBにも入ってきていることを考えても、Dellの幅広さは意味がある。

 EMCは大企業に強く、Dellは中規模企業に強い。EMCを利用する大企業顧客も、イノベーションを模索している。どうやってアジャイルに動くか、ベンチャー的な社風を作るかを課題としており、Dellがもたらすことができることはとても多いと感じている。

 顧客はたくさんのベンダーと付き合うよりも一部としっかり付き合いたいと思っている。Dell Technologiesはセキュリティからクラウドまで、顧客のさまざまな問題や課題に対応し、解決策を提案できる。

 個人的には、現在のIBM、HPE、Dellの3社の動きは非常に興味深く、将来経営のケーススタディになると思っている。

--DellのCMOとして、女性起業家支援(DWEN)に取り組んできました。これまでの成果をどう見ていますか?イベントも少しずつ変わってきました。

 DWENが正式にスタートしたのは7年前だ。いまでこそハイテク企業における女性社員比率や女性幹部が課題となっているが、Dellはそれ以前から、女性起業家が独自の課題を抱えており、どのようにして支援をできるのかを考えてきた。

 最初はざっくばらんに女性起業家が集まったが、次第にイベントとしての形をなすようになっていった。今年は年商500万ドル以上の急成長している女性起業家を招待している。以前は技術志向の企業をみていたが、今日はすべての企業が技術志向になった。技術はもはやどの女性起業家にとっても必須となっている。

 そのためか、われわれに対して”クラウドって何?””セキュリティのポイントは?””ソーシャルメディアはどう活用すればいいの?”といった質問が出てきたので、ここ数年技術テーマを設けて女性起業家に伝えている。実は、それまではセールスのためのイベントと思われたくなかったので、あえて自社技術ソリューションについて話をしなかった。それでも、いまでもDWENがネットワーキングイベントであることに変わりはない。

 DWENをインド・デリーで開催したとき(2012年に開催した第3回目のDWEN)、参加者たちが助け合い、コミュニティに還元しようとしているのを見て感動した。女性起業家が集まると、信じられないような相乗効果が起こる。実際、女性に投資すると売り上げの90%をコミュニティや地元経済に還元するという調査もある。

 スタートアップというとシリコンバレーを連想しがちだが、都市レベルで女性起業家向けの環境を調べたところ半分以上が米国外の国となった。これも興味深いと思う。

 起業家支援は、自身も起業家である創業者のMichael自身のライフワークでもある。このようなイベントはわれわれ自身もルーツに立ち返ることができる――自分たちも起業家精神があってDellは成功したのだということを思い起こさせてくれるからだ。

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