調査

スマートデバイスからのワークフロー活用が訴求ポイントに--ノークリサーチ

NO BUDGET

2016-10-20 10:46

 ノークリサーチは10月18日、2016年の国内中堅・中小市場における「ワークフロー」の利用実態とユーザー企業が抱える課題に関する調査分析結果を発表した。


出典:ノークリサーチ

 主な結果は以下の通り。

  • 導入社数シェアは上位の製品/サービスやERPの一機能に少しずつ収れんしつつある兆候
  •  上のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、「導入済みのワークフロー製品/サービス(複数回答可)」を尋ねた結果のうち、導入社数シェア上位5社の2015年から2016年にかけての推移をプロットしたもの。

     これまでは多種多様な製品/サービスが導入社数シェアを少しずつ分け合う状況が続いてきたが、2015年~2016年にかけてはグラフが示すように、シェア上位5社のうちの多くがシェア数値を伸ばしており、主要な製品/サービスに少しずつ収れんしつつある。

  • 「スマートデバイス端末からのワークフロー活用」も今後検討すべき訴求ポイントの1つ
  •  下の図も、前述の傾向を裏付けるものとなる。ユーザー企業から見たワークフローを活用する手段として、「グループウェアの一機能として利用する」「ERPの一機能として利用する」「オープンソースやスクラッチ開発による独自開発システムを利用する」などの選択肢とともに、シェア上位20位前後に該当しない「その他の製品/サービス」の導入社数シェア推移をプロットしたグラフだ。


    出典:ノークリサーチ

     2015年と2016年を比較すると、「その他のパッケージ製品またはサービス」の割合が低くなる一方で、「ERPの一機能として利用」の割合は高くなっている。「グループウェアの一機能としての利用」「独自開発システム」の割合はこれら2項目と比較すると大きな変化は見られない。

     したがって、2015年から2016年にかけては、グループウェアや独自開発システムからワークフロー製品/サービスへの顕著な遷移は起きていないが、その他のワークフロー製品/サービスからシェア上位のワークフロー製品/サービスまたはERPの一機能としての利用への移行が進みつつある兆候が垣間見える、といった状況が考えられる。

     これを踏まえ同社では、ワークフローを開発/販売するベンダーや販社/SIerにとっては、自社が取り扱う製品/サービスの位置付け(単体のワークフロー製品/サービスなのか、グループウェアやERPの一機能としての役割と位置付けるのか、など)を明確にしていくことが重要となってくるとした。

     さらに、ワークフロー製品/サービスの展開を考える上では、設置形態(オンプレミス/クラウド)や端末環境(スマートデバイスからの利用状況)も念頭に入れておく必要がある。下の図は、ワークフローを利用する際の端末環境を尋ねた結果を示したものだ。


    出典:ノークリサーチ
  • 「ワークフロー活用を通じた業務の効率化」を実現できるか?が今後の差別化要因となる
  •  下の図は、ワークフロー活用においてユーザー企業が抱えている課題について、年商500億円未満全体で見た場合に回答割合の高かった選択肢をプロットしたもの。


    出典:ノークリサーチ

     このうち、費用に関連する項目(「導入時の初期費用が高価である」「導入後の保守/サポート費用が高価である」「バージョンアップ時の費用負担が高価である」)や日本固有の複雑な申請/承認経路への対応に関する項目(「複雑な申請/承認の経路に対応できない」「申請/承認の経路設定が面倒である」)は以前から挙げられることの多かった課題項目だ。

     一方、昨今では「業務フローの全体像が把握できていない」および「業務フローの問題点が見つけられない」などといったように『業務の効率化』に関連した項目が挙げられるようになってきている。ワークフローを開発/販売するベンダや販社/SIerとしては「ワークフロー活用を通じてユーザー企業がどれだけ業務を効率化できたか」といった視点をさらに意識することが重要になっていくと予想される。

     調査は、同社が発刊する「2016年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」に向けて行われたもので、日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業における「情報システムの導入や運用。管理の作業を担当している」「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」社員を対象として7月~8月に実施、1300社から有効回答を得た。

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