調査

選択肢はパブリッククラウドのみならず--成長するプライベートクラウド市場

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-10-31 06:30

 451 Researchが最近公開したレポートによると、OpenStack市場は2020年までに57億ドル規模に達するという。

 クラウド市場では、パブリッククラウドがもてはやされ、プライベートクラウドが毛嫌いされる傾向にあることは否定できない。とは言うものの、プライベートクラウドの配備が減速する気配はない。

 451 Researchは米国時間10月24日、「OpenStack Pulse 2016」と題したレポートを公開し、そのなかでOpenStack市場はプライベートクラウドの成長もあり、2015年から2020年までの5年間で年平均成長率(CAGR)にして35%の伸びを示すだろうと主張した。この発表によると、OpenStackというビジネスモデルによって作り出される市場は2020年までに57億ドルに達し、プライベートクラウド市場がパブリッククラウド市場を上回るという。

 また発表には、「451 Researchは最新の分析結果に基づき、OpenStackがプライベートクラウド分野で成長するとともに、パブリッククラウドと、オンプレミス環境やホストされたOpenStack環境を統合するオーケストレーション機能の提供で成長していくと確信している」とも記されている。

 プライベートクラウドはしばしば、柔軟性を高めたプライベートデータセンターを別名で呼んでいるにすぎないと批判されている。そのように小ばかにするのは簡単だが、プライベートクラウドはセキュリティとパフォーマンスに関してより粒度の高い制御が可能であり、開発者に対して自由度の高いセルフサービス型のアクセスを提供できるという点で、企業内で支持層を増やし続ける可能性がある。

 RightScaleが発表した「RightScale 2016 State of the Cloud Report」によると、プライベートクラウド市場は77%という成長率となっており、「VMware vSphere」が市場をけん引するとともに、それに続くOpenStackも力強さを見せているという。また、このレポートはハイブリッドクラウドの台頭と、それがプライベートクラウドの成長に与えている影響についても言及している。

 このデータには次のような意味も含まれている。あなたの企業がいまだにプライベートクラウドを使用していたとしても、不安に感じる必要はない。そんな企業は他にもある。パブリッククラウドのような勢いはないかもしれないが、プライベートクラウドは企業にとって現在でも検討価値のある選択肢だ。


提供:iStockphoto/maxkabakov

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