VMwareのゲルシンガーCEOが語るAWSとの戦略的提携

怒賀新也 (編集部)

2016-11-09 07:30

 VMwareで最高経営責任者(CEO)を務めるPat Gelsinger氏は、11月8日に都内で開催された自社イベントに出席するために来日した。クラウドやデバイスを問わず、共通の運用環境でアプリケーションを実行、管理、接続し、同時に安全性も確保できるアーキテクチャ「Cross Cloud Architecture」の展開に注力すると話している。

 Gelsinger氏は10月14日に発表したAWSとの戦略提携について、「自分がCEOになる前から出ていたほど、以前からあった話」と述べた。

VMwareで最高経営責任者(CEO)を務めるPat Gelsinger氏
VMwareで最高経営責任者(CEO)を務めるPat Gelsinger氏

 主に開発環境として広く利用されるようになったAWSのインフラだが、次第にエンタープライズ用途にも浸透し始め、またAWS自身も、サーバやストレージだけでなく、リレーショナルデータベースの「Aurora」やサーバレスアーキテクチャの「Lamda」など、さまざまな企業向け機能を充実させるようになった。

 AWSが提供する機能を利用したいという企業が増える一方で、既存のオンプレミス環境などをAWSに移行するにはハードルがあった。今回の提携は、既存のオンプレミス環境を、ユーザー層の広いAWS上に移すことが容易になるという意味で、インパクトがある。

 従来は、実質的にAWS環境とオンプレミス環境などのどちらかを選ぶ必要があったが、今後は両方を同じAWS上で使えるようになるとする。

 「これまでA or B(AWSかVMwareベースのオンプレミスか)という選択肢しかなかったが、今後はA and Bが可能になる」(Gelsinger氏)

 これにより、ハイブリッドクラウド環境の構築のしやすさなどをAWSへの差別化ポイントとしていたMicrosoft Azureなどは、その特色を失うことになるとGelsinger氏は指摘する。

 VMwareはIBMと2月にクラウドで協業を発表しているが、IBMにとっても脅威と言えそうだ。

 「VMwareとAWSによるハイブリッド環境はほかを凌駕している」とGelsinger氏は自信を持っていた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]