ビジネスネットワークにERPと同じ潜在成長力--SAP傘下のコンカーCEO

末岡洋子 怒賀新也 (編集部) 2016年12月22日 07時30分

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 SAPが、中核的な事業領域を急速にシフトさせようとしている。その1つがビジネスネットワークだ。企業内のプロセスを効率化するだけでなく、パートナーなど社外とのやり取りを自動化することで、効率化できる。

 ビジネスネットワークス事業の主軸は旅費経費管理のConcur、調達のAriba、派遣など一時雇用のFieldglassの3つ。率いるのはConcur最高経営責任者(CEO)でSAPエグゼクティブボードを務めるSteve Singh氏だ。Singh氏とビジネスネットワークスアプリケーショングループ シニアバイスプレジデント、Neil Charney氏の両氏にビジネスネットワークのメリット、戦略などについて話を聞いた。(文中敬称略)

--SAPのビジネスネットワークス事業について教えてください。

Steve Singh氏
Concur最高経営責任者(CEO)でSAPエグゼクティブボードを務めるSteve Singh氏

Singh SAPは世界最大のエンタープライズアプリケーションベンダーで、企業のデジタル化を支援している。製品やサービスの販売方法、製品の製造、顧客への提供、サービスの方法、さらには製品開発やイノベーションもデジタル化が進んできている。これにより、市場のニーズや需要の変化に合わせて迅速に動くことができる。全ての企業がデジタルカンパニーになる必要がある。

 だがデジタル化とともに、コネクトも重要だ。企業内でプロセスを自動化するだけでなく、パートナーやエコシステムと接続することでさらなる自動化や効率化、デジタル化によるメリットを最大化できる。SAPはこの部分で、出張経費管理のConcur、調達のAriba、派遣など一時雇用管理のFieldglassの3分野を買収により獲得し、「ビジネスネットワークス」として進めている。

 例えばConcurでは、スマートフォンを使ってクリックしたり音声により旅行を予約できるが、企業のポリシーに合わせて航空会社やホテルなどのサプライヤーエコシステムとつなぎ、1つのアプリで必要な作業が完了する。シンプルなユーザー体験を提供する。

 出張経費管理、調達、派遣社員管理でそれぞれナンバーワンとなっている。Concurの場合、既に3万5000社の企業を顧客に持ち、この分野で約85%のシェアがある。どれも新しい市場だが成長率は20〜30%であり、潜在市場規模はSAPの中核事業と同じぐらい大きいと見ている。SAPは積極的に3市場に投資しており、規模を問わず全ての企業が利用できるソリューションを提供する。

--Sansan、ヴァル研究所と提携した。日本での戦略は?日本の典型的なユーザーは?

Singh 日本では、出張経費管理、調達、派遣社員管理それぞれ大きなチャンスがある。Concurは5年前に日本に進出しており、多数の大企業顧客を獲得している。事業は順調に成長しており、日本市場はわれわれにとって2、3番目の市場となった。

Cherney Sansanは名刺事業を理解している企業で、ヴァル研究所は地下鉄など公共交通機関を知る専門家だ。Concur顧客は交通費の精算、経路検索、訪問スケジュールのカレンダ登録などが自動化される。

Singh われわれのプラットフォームはオープンであり、他の企業がSAPソリューションに付加価値を加えることができる。Sansanやヴァル研究所との提携はこの一例となる。

 Aribaの成長は始まったばかりで、2、3年後にConcurと同じレベルの事業になるだろう。Fieldglassについては、強化を始めたところだ。

 日本でのユーザーだが、Concurについては大企業が多い。日本市場全体でデジタル化の受け入れが進んでおり、日本企業はビジネスソリューションでの効率性を求めてクラウドソリューションへの関心が高まっている。中規模、小規模と進んでいくだろう。

 SAPは大企業向けに強いが、SMBにもサービスも提供しており、ここではクラウドベースが戦略の中心。顧客はソリューションをオンラインで購入し、オンラインで実装し、オンラインで利用できる。2017、18年に向けてSMBへのフォーカスをさらに強化する。

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