さとうなおきの「週刊Azureなう」

【Azureなう 11/25号(前編)】App Serviceがコンテナをサポート

佐藤直生

2016-11-25 12:32

 こんにちは、さとうなおきです。「週刊Azureなう」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。

Connect(); 2016 開催

 11月16~17日に、開発者イベント「Connect(); 2016」が開催されました。今回の記事で取り上げるAzure関連の多数の発表の他にも、Visual Studio for Macをはじめとする多くの発表がありました。

 Connect(); 2016のウェブサイトChannel 9ページで、基調講演やセッションのビデオを視聴できます。

 また、今週の11月21日には、東京で「Connect(); Japan 2016」を開催しました。私も、AI開発セッションで登壇しましたよ。2つの基調講演の記事 (「『好みのデバイスで好みの開発言語を』--新しいVisual Studioの世界」「LinuxやmacOSからもSQL Serverにアクセス--マイクロソフト北川氏が解説」)も公開されているので、是非ご覧ください。

 それでは、Connect(); 2016での発表を中心に、先週のアップデートをご紹介していきましょう。

Azure App Service:App Service on Linux(プレビュー)がコンテナ、ASP.NET Coreをサポート

 Azure App Serviceは、ウェブアプリケーションやWeb API、モバイルバックエンドをホストするためのPaaSです。

 Azure App Serviceは、Windows Server、IIS上でASP.NET、PHP、Node.js、Java、Pythonをサポートしていました。そして、10月にプレビューがリリースされたApp Service on Linux(記事ブログポスト)は、Linux上でNode.js、PHPをサポートするようになっていました。

 今回、App Service on Linuxが、PHP、Node.jsに加えてASP.NET Coreをサポートするようになりました。

 また、独自のDockerコンテナイメージを持ち込むことができるようになりました。App Service on Linuxは、PHP、Node.js、ASP.NET Coreをサポートするためにぞれぞれに対応するDockerコンテナイメージを使っています。これらのイメージを基にカスタマイズしたイメージや、これらのイメージとは別のイメージを使うことができます。イメージは、Docker Hubや(Azure Container Registryなどの)プライベートレジストリからロード可能です。

 これによって、App Service on Linuxで、デフォルトでサポートされているPHP、Node.js、ASP.NET Coreだけではなく、Linux上で動作する任意のウェブアプリケーションスタックを使えるようになりますね。

 詳細は、Azure Blogのポスト「App Service on Linux now supports Containers and ASP.NET Core」、ドキュメント「Introduction to App Service on Linux」「Using a custom Docker image for App Service on Linux」をご覧ください。


Azureポータルでの、App Service on Linuxに対するDockerコンテナイメージの指定

Azure Functionsが一般提供に

 Azure Functionsは、C#、Node.js、Pythonなどで書かれた「関数」を実行できる、サーバレスアーキテクチャのサービスです。

 Azure Functionsは、3月のBuildカンファレンスで発表されてプレビューが開始されており、その後、継続的に機能拡張を続けてきました。

 今回、Azure FunctionsがGA(一般提供)となりました。現在、C#、JavaScriptの関数のサポートがGAとなっており、F#、PowerShell、PHP、Python、CMD、BAT、Bashの関数のサポートは、引き続きプレビューのままです。

 また、Azure Functions CLIのベータを使うことで、ローカルで関数の作成、実行、デバッグが可能になり、Visual Studio Codeとの統合も可能になりました。Azure Functions CLIは、現在、Windowsのみをサポートしていますが、今後、Mac、Linuxもサポート予定です。

 近いうちに、Visual Studioのサポートも、プレビューとして利用可能になる予定です。これを使うと、Visual Studioで関数の新規作成、開発、ローカル/リモートデバッグ、Azureへの発行が可能になります。

 Azure Functionsの関数では、(Blob Storage、Table Storage、Event Hubs、Service Busといった)Azureサービス、(OneDrive、DropBoxといった)外部サービスへのバインディングを簡単に設定できます。バインディングを使うことで、たとえば、Blob Storageにファイルがアップロードされたら関数が実行されるように設定できます。

 プレビューとして提供されているSendGrid、Twillio、Box、DropBox、Google Driveのバインディングは、バインディング拡張性フレームワークを使って構築されています。このバインディング拡張性フレームワークを、来年にプレビューとしてリリースする予定です。

 Azure Functionsの1時間試用版を使うと、登録の手間なしに簡単にAzure Functionsを試せるので、是非お試しください。詳細は、Azure Blogのポスト「Azure Functionsの一般提供を開始」をご覧ください。


Azure Functionsの1時間試用版

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