今週の明言

富士通幹部が説く「AIサービスのグローバル競争力」

松岡功

2016-12-09 11:40

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、富士通の阪井洋之 執行役員常務と、テラスカイの佐藤秀哉 代表取締役社長の発言を紹介する。

「競合他社に一歩出遅れたAIサービスだが、これから一気に追撃したい」
(富士通 阪井洋之 執行役員常務)

富士通の阪井洋之 執行役員常務
富士通の阪井洋之 執行役員常務

 富士通が先ごろ、2015年11月に「Human Centric AI Zinrai」と名付けて体系化したAI(人工知能)に関する知見や技術をベースに、企業のAI活用を加速させるサービス5種を開発し、順次提供を開始すると発表した。同社執行役員常務でグローバルマーケティング部門長を務める阪井氏の冒頭の発言は、その発表会見の質疑応答で、激戦区になりつつあるAIサービスのグローバル市場で存在感をどう高めていくか、と聞いた筆者の質問に答えたものである。

 同社が今回提供するAIサービスは、これまで300件を超えるAI関連の問い合わせや実証実験から導き出された、特にニーズの高いAI機能30種をAPIとして提供する「Zinraiプラットフォームサービス」、世界最速クラスの処理性能を実現したディープラーニング基盤サービス「Zinraiディープラーニング」、企業のAI活用に向けたコンサルティングから導入、運用までをトータルに支援する「Zinrai活用コンサルティングサービス」「Zinrai導入サービス」「Zinrai運用サービス」の5種。それらの内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは冒頭の発言に注目したい。

「Zinraiプラットフォームサービス」によって提供されるAPI
「Zinraiプラットフォームサービス」によって提供されるAPI

 筆者が会見で聞いたのは、競争が激化してきたAIサービスのグローバル市場における富士通の立ち位置についての現状認識と、今後存在感をどのように高めていくか、だ。これに対し、阪井氏は次のように答えた。

 「AIサービスのデリバリについては競合他社に一歩出遅れたが、当社もこれまで国内トップのカスタマーベースを生かし、お客様とともに300件を超えるAIの業務システムへの導入に向けた検討と実証実験を行ってきた。今回提供するサービスは、その中で明確になった、お客様がAIを活用していく上で特に必要とされている技術やノウハウを結集したもので、競合他社と比べても大いに優位性があると自負している。スタートは出遅れたが、その優位性を前面に押し出して、競合他社を一気に追撃したい」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]