展望2020年のIT企業

高める風評被害やネット炎上の予知

田中克己 2017年01月12日 07時30分

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 ブログなどソーシャルネットへの書き込みによる“風評被害”や“ネット炎上”が増えている。企業業績にも大きな損害が及ぶ、そんなデジタルリスクを予知・解決するサービスも生まれている。

 2016年11月末に東証マザーズに公開したエルテスはその1社。2015年10月に産業革新機構などから5億円超の出資をうけて、ビックデータ解析によるテロリストの発見など新しいリスク対策サービスの開発にも取り組み始めた。

デジタルリスクの予知・解決に取り組むエルテス

 東京大学経済学部在学中の菅原貴弘氏が2004年に設立したエルテスは当初、ベトナムでのオフショア開発事業でスタートした。そのオフショア開発で収益を確保する一方、将来の成長に向けて格安航空券の販売など複数の新規ビジネスを手掛けた。

 2007年、その中からファーカスしたのがデジタルリスクの予知・解決サービス。「2006年頃にWeb2.0が流行し、ネット上の口コミで被害を受ける人が出てくる」と菅原代表取締役はデジタルリスクの危機感への高まりを予想したからだ。予知・解決サービスの需要は急拡大し、同社の社員は90人弱(2016年12月時点)になり、売り上げも2017年2月期に前年度比で約40%増の13億6900万円を見込むまで成長する。

 最大の理由は、風評被害が広がっていることにある。基幹商品が売れなくなり、市場から撤退を迫られることもある。たとえば、マンションを購入したい人が「あのマンションには、ある問題がある」といった口コミがあったら、ネットの活用度の高い消費者はそのマンションを購入するだろうか。

 そこで、エルテスは顧客となった企業名や個人名から検索し、たとえば上位の1位から50位の記述内容を調べる。もし企業や商品の評判を悪くするような記述が検索結果の1ページにあったら、2ページに移す。そんなソリューションを提供する。自社広告の検索結果を上位に載るよう最適化を行うSEO技術を活用している。

 菅原氏によると、1ページの情報を読む人は約80%いるが、2ページ以降になると、読む人は約20%に減る。その情報が正しいことを証明しているわけではないが、1ページの情報は「信憑性がある」と思う傾向があるという。なので、「早く2ページ以降へ」と依頼する企業が増える。利用するユーザーはすでに300社を超えているという。

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