調査

IoT推進で伸びる「次世代型モニタリング」:矢野経

NO BUDGET 2016年12月27日 07時00分

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 矢野経済研究所は12月12日、国内のIoTなど次世代型モニタリングの可能性調査の結果を公表した。調査は8~11月にかけて実施され、ITベンダーおよびユーザー企業・団体(地方自治体・公共団体、各種製造業、建設業、運輸・倉庫業、サービス業など)を対象とし、電話調査および一部専門調査員による直接面談調査及び文献調査を併用している。

 次世代型モニタリングとは、近年注目されるIoT関連テクノロジを活用した遠隔監視システムで、センサネットワークやM2Mなどで収集した膨大なデータを、クラウドやビッグデータなどの技術で集積し、解析・アナリティクス・AIテクノロジなどを用いて分析・判断・評価を行う仕組みのこと。従来型の遠隔監視との違いは、IoT関連テクノロジを用いて、低コストで高利便性の機能を実現することにある。なお本調査では、ITベンダーから外販されるサービス/ソリューションを調査対象とし、ユーザー企業・団体が自社で開発したシステム(オンプレミス)や、各種機器・設備メーカーが提供する保守/メンテナンスのためのサービスは除いた。


次世代型モニタリングの概念図

 次世代型モニタリングは、工場・製造及び社会インフラ・防災分野でテスト導入や実証試験が始まっており、徐々にその普及が進むとともに、建設業や運輸・倉庫業などの現場作業者向け健康管理(ヘルスケアモニタリング)へと適用領域が広がっていくと予測している。

 分野別の調査結果は以下の通り。

  • 工場・製造分野
  •  工場・製造分野の次世代型モニタリングは、大手企業へのテスト導入が始まっている。そこでは、故障予知・状態基準保全(CBM)の実現などを目的とし、2020年頃までは組立製造業やFA機器・ロボット導入工場、プロセス製造業(プラント)などでの大手企業の設備監視へ導入されると予測。こうした大手企業の主導は2020年頃まで続き、2020年頃からは年商規模500~2000億円程度の中堅・準大手メーカーが普及の中心になる。さらに2030年頃からは、中小メーカー分を含めたほぼ全ての製造機器・設備で次世代型モニタリングが標準設備となり、その活用が見られると予測している。

  • 社会インフラ・防災分野
  •  社会インフラ・防災分野での次世代型モニタリングは、冠水・風水害被害を監視するための河川モニタリング、土砂災害の危険性の高いのり面監視などの防災関連といった、人命に関わる、ないしは社会的な影響が甚大な領域から優先的に適用されると同社は考えている。2020年以降になると、高速道路や直轄国道、鉄道を中心とした主要な社会インフラ(インフラ構造物)への導入が始まり、2030年前後には、地方自治体レベルの社会インフラ(インフラ構造物)への普及が進むと予測。

  • 健康管理(ヘルスケアモニタリング)分野
  •  現場作業者向けヘルスケアモニタリングは、2016年頃から建設業を中心にテスト導入や実証試験が始まっており、比較的早い時期に普及期に入るとみられる。建設業や運輸・倉庫業などの現場作業では、屋外作業や高温下での作業、高所作業など、厳しい環境下での仕事が少なくない。特に近年では、熱中症対策が現場作業における大きな課題となっており、そうした業務へのヘルスケアモニタリング活用への期待は大きい。また近年、健康経営/医療経営といったコンセプトが企業に浸透しつつあり、この事も作業者の健康管理に注目が集まる要因となっている。こうした形で大手ゼネコンの建設現場作業者、長距離ドライバーなどの健康管理及び安全管理への活用が、2020年頃までに進むと同社は見ている。

     その後2030年頃までに、中堅規模ユーザへの浸透や、製造業や警備業、倉庫業、公共セクター(電力・ガス施設)などでの適用業務・業種の拡大が進み、多くの作業現場において普及する見通し。2030年頃には、現状の定期健康診断や産業医の配置、ストレスチェックの義務化といった取り組みと同様に、従業員の健康管理での標準の扱いになる可能性もあると予測している。


    次世代型モニタリングの普及予測シナリオ
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