「モバイル発券サービス」で何でもできる--シンガポールの"財布なし"生活

Gemalto

2017-01-06 07:00

 ロシア有数のMNO(移動体通信事業者)のMegaFonとVimpelComは、両社で1億8000万人の契約者数に対し、2016年に1つのシステム環境で複数のシステムやアプリケーション利用できる「マルチテナントNFC SIM」を導入し、両社のユーザーは自分のNFC(近距離無線通信)対応スマートフォンを使ってモスクワの新しいモバイルチケットプログラムを利用できるようになりました。

 このソリューションにより、利用者はトロイカ交通カードアプリケーションをダウンロードすると、非接触カードリーダーに携帯端末をかざすだけで、ロシアの首都圏の地下鉄、路面電車、バスに乗車することができます。トロイカアプリケーションから直接切符の購入ができ、支払いはユーザーの携帯電話利用代金とあわせて自動的に引き落とされます。これによってユーザーは、モスクワ全体を通じてコンタクトレスリーダー(非接触読取り機)に携帯電話をタップするだけで地下鉄やトラム、バスなどで利用できるため券売機に並ぶ必要がなくなります。

 モスクワでは2015年9月にモバイルチケットを導入しましたが、今後1~2年で1日700万人に上る乗降客が、このスピーディでシームレスなキャッシュレスの発券方法を利用することが見込まれています。このUpTeqマルチテナントSIMカードはモバイルNFC決済などの機能もサポートしており、他のコンタクトレス(非接触型)サービスを追加できる柔軟性も兼ね備えています。


 このNFC SIMを活用したチケットサービスは、シンガポールでも導入されています。シンガポールでは初めて、携帯電話を用いて公共交通機関の運賃を支払うことができるようになりました。

 シンガポールの通勤者はEZ-Link(2002年に導入されたシンガポールのタクシーを除く市内交通の支払いに利用できるIC乗車カード)のアプリケーションが搭載された携帯電話をタップするだけで、公共交通機関に乗車することができます。移動体通信事業者(MNO)と銀行は、この基盤を使って、新しい付加価値サービスを提供することもできます。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]