富国生命保険は、コグニティブ技術を用いた検索ソリューションを給付金などの支払査定業務に導入して「診断書査定自動コード化システム」を構築、1月より稼働を開始する。
導入したのは、IBMの「IBM Watson Explorer」。既に富国生命では同製品を顧客の声の分析に導入して苦情への分析や対応などに活用している。今回はそれを給付金などの支払査定業務に組み込むことで、査定業務の精度向上、効率化を図る。
新たに構築した診断書査定自動コード化システムは、診断書などから、疾病、災害、手術を自動で判別、分類し、コード化する。これにより、給付金などの支払査定業務において、支払いまでの迅速化、業務の効率化を実現する。富国生命では本システムの導入により、業務処理の負担を30%程度削減できると見込んでいる。
システムの主な機能、特徴は以下の通り。
- 給付金等の請求時に提出された診断書等に記載された傷病名、手術名を正しく認識し、該当するコードを提示することで人的査定を支援
- 診断書の経過欄等に記載されたデータから、支払事由に該当するキーワードを抽出し、前後の文脈を判断して入退院日や手術日などの日付情報を自動抽出するなどして、支払漏れ等を防止する機能も実装
- 過去の支払査定の履歴を学習することにより査定業務担当者の経験やノウハウを継承。さらに、導入後は担当者による最終的な査定結果を継続的に反映させることにより精度が向上
富国生命は今後、給付金等支払査定の検証作業においても同システムの導入を予定しており、支払査定の精度を高めることで、さらなる顧客サービスの向上に努めるとしている。