KDDIは12月27日、省電力かつ広域なエリアカバレッジを実現するIoT向け通信技術Low Power Wide Areaネットワークの一つである「LoRaWAN」に対応した、「LoRa PoC キット」の提供を1月から開始すると発表した。
キットにはLoRaゲートウェイ(屋内用または屋外用いずれか)1台、LoRa端末10台、「KDDI IoTコネクト Air」対応ルータ1台、「KDDI IoTコネクト Air」通信費6カ月分、LoRa端末およびLoRaゲートウェイの管理コンソール利用料6カ月分、サポート費用(問い合わせ対応)6カ月分が含まれ、提供価格は税別120万円。また、アプリケーションサーバ開発支援サービスを個別見積で提供する。
システム概要図
LoRaWANとは、世界の半導体メーカーや機器メーカーなどからなる「LoRa Alliance」が策定した、920MHz帯などの無線局免許が不要な周波数帯を利用した無線通信規格。省電力かつ広範囲に通信できることが特徴で、これまでに比べて電源の確保が難しい場所や電波の届きにくい場所でも利用することができる。
同規格を活用することで、河川や山、農場などの環境・農業分野で幅広く利用できるほか、ビルの地下やさまざまな施設の敷地内でも利用が広がるため、新たなIoTビジネスが生まれることが期待されるという。
新たに提供を開始するLoRa PoCキットは、ソラコムが開発したシステムと、KDDIのIoT向け回線サービスであるKDDI IoTコネクト Airを連携させた法人ユーザー向けの検証キット。ユーザーの要望する場所に合わせてLoRaゲートウェイを設置し、LoRaWANによるエリアを構築することができるほか、LoRa端末の管理や運用、アプリケーションサーバの利用が可能なため、LoRaWANを活用したビジネス環境を迅速に用意できる。
また別途、IoTクラウドサービス「KDDI IoTクラウド Creator」の利用により、ユーザーの要望に応じた独自のアプリケーションサーバの開発も可能としている。