現場でのデータ
iPhoneによってアプリやウェブツール、モバイル開発が一般的となり、企業は従業員が指先1つでデータをやり取りできるようにする必要性を実感するようになった。
企業におけるモバイル指向を生み出したのはAppleだけの功績ではないとはいえ、iPhoneによって同社は、モバイル機器が情報をやり取りする優れたツールになり得る点を証明した。
モバイルコンピューティングとクラウドコンピューティングによって、企業データがモバイル機器に向かう流れが生み出された。利用しているアプリがMicrosoftのOfficeであるか、あるいはSalesforceやIBM、SAPのものであるかに関係なく、iPhoneは従業員が出先で企業のデータを取り扱えるようにする道を切り開いたのだ。
企業向けアプリのエクスペリエンス
iPhoneが企業に大きな影響を与えた分野として最後に、定量化が難しいとはいえ、述べておく価値があるものを挙げたい。iPhoneはエンタープライズソフトウェアや企業向けアプリの設計にも影響を与えた。
モバイル分野においてiPhoneとそのアプリは、さまざまなエンタープライズソフトウェアベンダーにとって、モバイル設計の代名詞となった。iPhoneとコンシューマー向けのウェブインターフェースが一体となり、エンタープライズベンダーに対して、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためのデザイン思考といったテクニックの採用を迫るようになったのだ。
企業向けアプリのエクスペリエンスが向上したとはいえ、コンシューマー向けアプリの利用容易性と比べると少し見劣りする感はある。とはいえ、その差は縮まってきている。今日のエンタープライズテクノロジはずっと使いやすくなっており、それはiPhoneによるところが大きいと言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。