IDC Japanは、3月14日、2016年のウェアラブルデバイスの世界出荷台数を発表した。2016年第4四半期は、前年同期比16.9%増の3,390万台。2016年通年の出荷台数は前年比25%増の1億240万台となった。
同市場のトップ5ベンダーは、Fitbit、Xiaomi、アップル、Garmin、サムスン。IDCでは各社の動向に関する分析も行っている。
2016年第4四半期 世界ウェアラブル市場 出荷台数Top 5ベンダーのシェア推移
Fitbitは、2016年の第4四半期と通年の両方で主導的地位を維持しているが、米国ではフィットネス・トラッカー市場が急速に飽和状態に近づいたため、これまでにない出荷台数の減少に見舞われた。
Xiaomiは、トップベンダーのFitbitに肉薄している。スマートフォンなどの他の製品ラインと同様に、低コスト戦略に力点を置いているが、価格がやや高い心拍数モニター搭載モデルを投入することで、より高めの価格帯にシフトしようとしている。
アップルはApple Watch Series1とSeries2でこれまでにない成功を収め、2016年第4四半期も好調だった。エントリーモデルの価格を低く設定したこと、全面的に改良されたユーザーインタフェース、Series 2にはGPSが搭載されたことなどで市場でのプレゼンスを向上させている。
Garminは、2016年第4四半期、前年同期比マイナス4.0%の減少となった。しかし平均小売価格を前年同期の200ドル以下から、今期は258ドルへと大幅に引き上げることに成功した。
サムスンは、2つの新しいモデル(Gear S3 ClassicとFrontier)を投入した。同社は携帯電話機能を搭載したモデルを持つ唯一の主要企業で、腕時計のLTE接続機能は、スマートフォンとの接続を必要としないという点が重要な差別化要因となっている。
ウェアラブルデバイスは、市場形成の初期段階で、サードパーティー製アプリケーションを実行できる「スマート・ウェアラブル」と、こうした機能のない「ベーシック・ウェアラブル」に分かれる。
IDCでは、ベーシック・ウェアラブルについて、万歩計のような単機能デバイスとしてスタートし、健康管理機能やフィットネス機能をスマートフォンに通知するという機能を取り込みながら多目的デバイスに変身しているとした。また、スマート・ウェアラブルについては、ヘルスケアとフィットネス用途を重要なフォーカスエリアにしていることは変わらないが、携帯電話ネットワークに接続されることで、スマート・ウェアラブルならではのアプリケーションや通信機能が利用できるようになることが期待されているとした。