NTT西日本は、業務端末の認証方式に手のひら静脈認証を採用した。セキュリティの強化や従業員の利便性向上、運用コストの削減などを実現する。
PalmSecure-SLのセンサ(出所:富士通)
富士通と富士通フロンテックが提供する手のひら静脈認証装置「FUJITSU 生体認証 PalmSecure-SL」を導入した。2016年8月から導入を始め、現在は1万1300台で稼働している。
NTT西日本はこれまで、業務システムへのログインにICカードと指紋情報を組み合わせて認証していた。しかし、ICカードは発行や管理など運用面の負担が大きく、指紋はセンサで読み取れないなどの課題があった。
手のひら静脈は、体の表面の情報である指紋や顔に比べて偽造が困難であることや、指紋のように表面の摩耗や乾燥によって登録、照合できなくなることもない点が評価された。また、センサに接触することなく認証でき、衛生的であることも選定ポイントとなった。
富士通グループでは、従業員7万5000人の静脈データサンプルを全世界で収集し、認証精度と適用率の確認。これらのサンプルで適用できなかったケースはなく、適用率の高さが実証されているとしている。
PalmSecure-SLは、横48mm、奥行き48mm、高さ16.4mmという小型サイズで、持ち運びの邪魔にならず、机上のスペースを有効活用できる。本人拒否率0.01%(リトライ1回)、他人受入率0.001%以下という認証精度を実現している。